「OAも久保建英もいない18人」の強みとは？

　オーバーエイジも鈴木彩艶も松木も、久保建英も鈴木唯人もいないが、今回の18人にも見どころはある。

　とりわけ、中盤から前線にかけては面白い。藤田、山本、川﨑、荒木、三戸の5人は、4-3-3でも4-2-3-1でも中盤にバリエーションを出せる。それぞれが複数のポジションに対応でき、ターンオーバーをしながら戦っていける。

　中盤から前線にかけてのポジションを網羅する佐野航大は、18人には含まれていない。4人のバックアップメンバーに名を連ねることとなった。そのユーティリティ性がチームにもたらすものは大きいが、大岩監督が選んだ5人でも多彩な組合せが可能だ。三戸の局面を剥がす力、川﨑のハードワークと献身性といったように、より大きな武器をチームに搭載したのだろう。

昨季オランダ1部NECで活躍した佐野航大（20歳）はバックアップメンバーに登録された　©Getty Images

　前線は細谷真大と藤尾翔太が頂点を担い、斉藤光毅、佐藤恵允、平河悠がサイドアタックを担う。MF登録の三戸もウイングで起用できる。

　国際舞台に臨むチームの編成は、対戦相手の特徴も考慮されるべきものだ。日本がグループステージで対戦するパラグアイ、マリ、イスラエルは、いずれも長身のDFを擁する。大岩監督は斉藤、平河、三戸らのアジリティが、対戦相手を苦しめる姿をイメージしているに違いない。

　U23アジアカップでは、山田楓喜が存在感を発揮した。しかし、同大会後はコンディションを落とし、5月下旬から所属する東京ヴェルディで先発を外れた。発表前最後のJ1リーグで6試合ぶりにスタメンで起用されたが、大岩監督は彼ではなく佐藤を選んだ。山田はバックアップメンバーとなった。

U23アジアカップで活躍した山田楓喜（22歳）もバックアップメンバーに　©Getty Images

　佐藤が主戦場とする左サイドには、斉藤と平河がいる。それぞれに異なるキャラクターを持った3人で、佐藤は力強いドリブルとゴールへ直結するプレーが持ち味だ。「左で崩して右で仕留める」イメージが浮かび上がる。

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