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プロ野球PRESSBACK NUMBER
プロ野球で異常事態「何かがおかしい」ホームランが消えている…なぜ? 村上宗隆も発言「“飛ばないボール”は本当か」専門家にズバリ聞いた
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byJIJI PRESS
posted2024/06/15 11:00
ホームランが激減し、野球の危機ともいえる状況に…専門家に理由を聞いた(写真はイメージ)
「2011年、2012年と、極端に飛ばないボールを使用していたことが問題になりましたが、今季は現時点でその水準さえ下回っています。プロ野球で同じくらい得点やホームランが少なかった時期は、1950年代中盤の長嶋茂雄さんがデビューする前まで遡らなければいけない。歴史的に見てもあまりないレベルの“投高打低”だと言えます」
現場「ボールが飛ばない」も…ミズノは否定
こうした事態を受けて、中日の立浪和義監督や2022年の三冠王・村上宗隆をはじめ、現場からも「今季のボールは飛ばない」といった声が噴出した。一方で、NPBおよびボールを製造するミズノ社は、製造・管理における変更点はないと“ボールの影響”を否定(4月23日付『中日スポーツ』)。5月に選手らへの聞き取り調査を行ったプロ野球選手会も、「0・4134」を目標値とするボールの反発係数には問題がないことを、日本野球機構(NPB)から提供された試験データによって確認しているという。
「理由は投手のレベルアップ」は本当か?
では、なぜこれほどまでに打てない環境――言い換えれば「投手優位」の環境――が生まれているのか。信憑性をもって語られているのが、「投手のレベルアップ」を主要因とする説だ。事実、2014年以降の直近10シーズンで、ストレートの平均球速は141.4kmから146.6kmまで上昇。「投手のレベルアップに打者が追いついていない」という主張は、一見、筋が通っているようにも思える。
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しかし前出の宮下氏は、今年2月に公開した記事『1試合平均3.48得点。深刻化する“投高打低”の原因は本当に「投手のレベルアップ」にあるのか』において、複数のデータを根拠に「投手のレベルアップ説」に反論している。