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衝撃ゴラッソ連発のレアルvsマンC、約7万人の圧が凄まじいアトレティコサポ…CLでカメラマンが見た欧州サッカーの首都マドリード“熱狂の日常”
posted2024/04/16 17:00
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
首都マドリードに現れた“黄色いサポの集団”
スペインの首都マドリードの中心地、細い路地が入り組み、起伏のある旧市街をカメラ片手にあてもなく歩く。
目の前に現れた石造りのアーチ状の門をくぐると、ぐるりと建物に取り囲まれ四角く切り取られた空間が広がっていた。
マヨール広場だ。
広場周辺を取り囲むどの建物も重厚でいて華麗さをも併せ持ち、237個のバルコニーが広場を見下ろしているという。そこに立つと、ふと時を遡り建設当時の街並みに立っているかのような錯覚を起こさせる。
そんな束の間のタイムスリップから引き戻すのは――スペイン語ではない、聞きなれない言葉だった。
耳を傾ける。“シャイセ”という唯一知っている、あまり口にしてはいけないと言われる部類のドイツ語のワードが行き交っていた。
太陽に照らされ、目を背けたくなるほどに眩しい黄色いシャツ。この日はチャンピオンズリーグ、アトレティコ・デ・マドリー対ドルトムント戦のマッチデイだった。広場を囲むレストランやカフェのそれぞれのオープンテラスを占拠した、ドイツからやってきた黄色いサポーター達同士のコールアンドレスポンスがおこなわれていたのだった。
レアルとマンCの超豪華な面々が…
欧州サッカーが佳境に入っている。4月9日、レアル・マドリー対マンチェスター・シティのマッチデイ。
カルロ・アンチェロッティ、ペップ・グアルディオラの両監督がにこやかに健闘を誓い合い、そしてCLアンセムに導かれ両チームイレブンが、モザイクに彩られたピッチへ姿を現す。張り詰めた空気の中、キックオフの笛が響き渡った。
開始から2分、誰もが予想し得なかったゴールがアウェイチームにもたらされる。
ジャック・グリーリッシュが倒され、開始早々のFK。キッカーの位置には、ベルナルド・シウバとグリーリッシュ。壁にはビニシウス・ジュニオールの1枚のみ。
相手ゴールからは随分離れていた、通常ならクロスが送られる、そんなFKだった。密かに下されたシウバの決断のもと放たれた、誰もの想像を裏切るライナー性の低い弾道のボールがゴール前でワンバウンドするとそのままニアサイドへ飛び込んだ。
ロベルト・カルロスの大砲のようなシュートではない、相手GKとの心理戦を完全に制したゴールだった。