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衝撃ゴラッソ連発のレアルvsマンC、約7万人の圧が凄まじいアトレティコサポ…CLでカメラマンが見た欧州サッカーの首都マドリード“熱狂の日常”
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/04/16 17:00
CLで凄まじい試合を演じたレアル・マドリーとマンチェスター・シティ。欧州サッカーの頂点の進化は日進月歩である
首都という観点で言えば――東京における銀座通りと昭和通りを結ぶ路地である。そんな一等地にあるにも関わらず、ビールとスープ、前菜とメインを食べて、日本円にして1000円と昔ながらの雰囲気、価格を残した定食屋でランチを取った。
ニンニクとお肉をベースにしたスープには、落とした卵と揚げパンが素朴ながらも具材となる。
前菜には、くたくたになるまで炒められたインゲン豆をベーコンなどと共に、メインはポークのサイコロステーキを。
中心部よりやや離れたメトロポリターノ・スタジアムへ到着すると、マヨール広場やソル広場を黄色く染めたドルトムントサポーターは影を潜め、赤と白のユニホームが眼前を染める。
マドリード第二のクラブと公然の揶揄を受けながらも、この日も6万9000人弱のサポーターがスタジアムを埋めている。
そして最前列でも多くの地元少年少女サポーターの姿を撮影することができた。
ひとえに“サッカーが日常に根付く”と謳ってみても、連日CLの決勝トーナメントが行われるような都市は他にロンドンくらいだろうか。CL決勝での同都市ダービーとなると長い年月の中でもマドリードダービーしか実現しておらず、スペインの首都のみならず、“欧州サッカーの首都”などと呼んでみたくもなる。
マドリードやスペインで暮らす人々が、好むと好まざるとに関わらず日常として触れるサッカーレベルの差を感じずにはいられない。
アトレティコとドルトムントの闘いも熾烈だった
互角の戦いが予想された対戦も前半4分、ゴール前から繋ごうとしたミスを突き、アトレティコMFロドリゴ・デ・パウルがボールを掻っ攫い、冷静にゴールを奪い先制に成功する。
そのまま2次、3次と波状攻撃を仕掛け、相手陣内でゲームを進めたアトレティコが32分、リノのゴールでリードを広げる。攻撃の起点にはアントワーヌ・グリーズマン、攻守の要にデ・パウルとコケ、守備ラインからも元来守備的なMFを務める元ベルギー代表アクセル・ビツェルが安定をもたらした。