欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
衝撃ゴラッソ連発のレアルvsマンC、約7万人の圧が凄まじいアトレティコサポ…CLでカメラマンが見た欧州サッカーの首都マドリード“熱狂の日常”
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/04/16 17:00
CLで凄まじい試合を演じたレアル・マドリーとマンチェスター・シティ。欧州サッカーの頂点の進化は日進月歩である
確かに、マドリーGKアンドリー・ルニンのポジションに難はあった。ただこの時間帯だったからこそ、ルニンからすると奇策に気が回らずややファー寄りのポジションを取ってしまった。
そしてこの時間帯だったからこそ、奇襲ともいえる思い切ったシュートを放てたシウバ。一寸の隙を見逃さず形にしたシウバの技術力と遊び心に溢れるゴールだったのではないだろうか。
ビハインドとなったマドリーの反骨心
欧州王者相手の早い時間帯での失点に、一旦は選手もファンも落胆の感情に包まれたように感じられた。リードを得たシティがマドリーを押し込み、試合を決着させようと追加点を狙う。ただここは数々の奇跡を起こしてきたサンチャゴ・ベルナベウ、幸いにも逆転できるだけの長い時間がある。
ADVERTISEMENT
選手同士が、そしてサポーターもが鼓舞しあってマドリーが徐々に攻勢に出る。
トニ・クロース、フェデリコ・バルベルデの正確なロングフィードでボールを大きく展開すると、12分、エドゥアルド・カマビンガが切り込んでシュート。ボールは、シティCBルベン・ディアスに当たり軌道を変え、シティゴールへ吸い込まれた。
さらに14分、守備ラインの裏へ抜け出しボールを引き出したロドリゴ・ゴエスが、対応にあたる守備者を嘲笑うかのようなグラウンダーのボールで股を抜いて、ゴールへ流し込み逆転に成功する。立て続けのゴールでの逆転にスタジアムの熱狂はピークを迎えた。
両チーム共にチャンスを作り出すものの2-1のまま膠着したゲームは、後半21分、26分にシティのMFフィル・フォーデン、DFヨシュコ・グバルディオルの目の覚めるミドルシュートによる連続ゴールで再逆転を果たす。
直後マドリーは、ルカ・モドリッチ、ブラヒム・ディアスを投入。そのモドリッチが単騎ボールを押し上げサイドへ展開、ボールを受けたビニシウスが送ったクロスを、遅れて走り込むことでフリーとなったバルベルデがダイレクトで合わせると、矢のようなシュートが逆サイドへ突き刺さり同点へ。
鮮やかなゴールの連続、目まぐるしい逆転に次ぐ逆転、CLの名に相応しい点の取り合いは3-3のイーブンのまま終了。ホームでの試合を残すシティにやや分はあるが、セカンドレグも屈指のカードとしての期待がかかる。
約7万人のアトレティコサポと少年少女たち
話は冒頭、アトレティコとドルトムントの対決前に戻る。