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年俸10億円超で契約更新・冨安健洋も…アーセナルvsマンCの最新型「4バック全員CB作戦」遠藤航リバプールは?〈至高のプレミア優勝争い〉
posted2024/04/03 17:02
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
Stuart MacFarlane/Getty Images
遠藤航が中盤の底に君臨するリバプール、冨安健洋と年俸10億円超で契約を更新したばかりのアーセナル、3冠王者マンチェスター・シティ──。今季のプレミアリーグでは、10シーズンぶりとなる三つ巴のタイトルレースが繰り広げられている。
この至高の優勝争いに、日本代表選手が2人もレギュラークラスとして参戦していることは、実に喜ばしい。そして今後を占う上で、守備的MFの遠藤とDFの冨安はキープレーヤーになりうる。なぜなら、トップ中の真のトップレベルの最新トレンドは──何度目かの揺り戻しを経て──守備にあるからだ。
プレミア総得点数は最多、一方で3強対戦時のスコアは?
今シーズン、プレミアリーグでは0-8(シェフィールド・ユナイテッド対ニューカッスル・ユナイテッド)や4-4(チェルシー対シティ、ニューカッスル対ルートン・タウン)など、実に多くの撃ち合いがあった。4月1日時点のリーグ総得点は949で、1試合平均にして3.24。これはプレミアリーグ史上、ダントツの最多である(イングランド1部リーグ史でも、1964-65シーズン以来の高水準だ)。
その要因には、アンジェ・ポステコグルー新監督を迎えたトッテナム・ホットスパーや、イタリアの革命児ロベルト・デ・ゼルビ監督が率いるブライトン&ホーヴ・アルビオンをはじめ、ほとんどのチームが攻撃を重視していることや、上位と下位の実力差の拡大、アディショナルタイムの増加などが考えられる。
ただし、優勝を狙う3チーム同士の対戦にかぎれば、内容もスコアも異なってくる。
すでに終わった全6試合のうち、3ゴール以上が記録された試合は、2月4日のアーセナル対リバプール戦のみ(3-1でアーセナルの勝利)。偶然かもしれないが、この試合にはアジアカップに参加していた冨安と遠藤は出場していない。
マンCvsアーセナルでの“どっちも4バック全員CB”
そして先週末にエティハド・スタジアムで行われたシティ対アーセナルは、0-0に終わった──今季リーグを通じて9度目のゴールレスドローであり、シティがホームで無得点に終わったのは、実に2021年10月以来のことだった。長い時間を引いて守り、3割以下のポゼッション率を記録したアーセナルに沈黙させられた格好と言える。