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「ハシッ!」橋岡大樹24歳、取材中にチームメイトが…ルートンですでに愛される“プレミア第4の日本人”が語った「遠藤(航)さんがどれだけスゴいか」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2024/03/09 17:03
1月にルートン・タウンに移籍した橋岡大樹(24歳)。冨安健洋(アーセナル)、三笘薫(ブライトン)、遠藤航(リバプール)に続き、今季プレミアでプレーする4人目の日本人となった
「劣勢で負けている状況でピッチに入るのは難しいですが、まず最初にボールをもらった時に、『どういう状況でも縦に仕掛けられるなら、仕掛けてやろう』と思っていた。クロスはうまくいかなかったですけど、クロスまで持っていけたのはよかったです」
橋岡は言葉通り、ファーストタッチで積極的に仕掛けた。右サイドでボールを受けると、縦にドリブルを開始。対峙したベルギー代表FWジェレミー・ドクにマークされながら、ゴールライン際まで進んだ。ドクに体を寄せられて体勢を崩し、力のないクロスボールになってしまったが、積極的な仕掛けでホームのサポーターを沸かせた。
その後は守備に追われるシーンが目立った。ルートンの基本戦術は、プレミアリーグでも珍しいマンツーマン・ディフェンスだ。相手が自陣に入ってきたら、原則として自分のマーカーをどこまでも追いかける。橋岡も例外ではなく、ドリブラーのドクにしつこく食らいついていった。後半18分には、逆サイドの左サイドまでピッチを横断しドクをマーク。自身のキャリアを振り返っても、橋岡にはマンツーマン・ディフェンスが「初めて」の経験で、体力的にも「きつかった」という。
「ハーランドも同じ人間」
だが素早い寄せでドクに前を向かせず、ピンチの場面にハーランドをブロックしてシュートを防ぐなど、守備で奮闘し続けた。チームは最終的に2−6で大敗。本人も「負けてしまったので悔しいです」と肩を落としたが、デビューとなったマンチェスター・C戦を前向きに振り返った。
「ドクが相手でした。相手に寄せられる部分もありましたけど、やれてる部分、対人で取り切った部分もあった。良いところもあったし、もっと改善しないといけない部分もありました。プラスになるデビューだったかなと思います」
(記者:マンチェスター・Cには、ハーランドやケビン・デブルイネといった世界的名手が揃う。今までだったら『おっ』と思ってしまう選手と同じ土俵で戦ったが、どういう感覚だったか)
「ベンチで見ながら、『あぁテレビに出ていた選手だな』と思ったんですけど、ピッチに入ってみると、やはりそんなのは関係なくて。テレビで見ていた選手ですけど、やっぱり同じ人間。凄いなとは思いましたが、自分の中で『できなくはないな』と思った。これからもっと自分を高めていき、1歩ずつやっていけば、全然できるのかなと思います」
「犬のように走りたい」
橋岡は、3月2日に行われたアストンビラ戦でも途中交代で出場した。この試合では3−4−2−1の左CBの位置に入り、最終ラインを支えた。チームは2−3で惜敗したが、橋岡はボール保持時はビルドアップで、守備でも空中戦や対人守備で存在感を示した。
対人守備やユーティリティ性、スピード、豊富な運動量に定評のある24歳DFだが、自分のどの能力をチームに最も還元できると思うか。そう質問をぶつけてみると、橋岡は次のように話してくれた。