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大谷翔平には「とてつもない才能があるから…」元巨人・マイコラスが語っていた“オオタニ評”「食事と言葉が問題だった」日本生活のリアル
text by
ジェイ・パリスJay Paris
photograph byNanae Suzuki
posted2024/03/29 11:02
開幕を迎えたMLB。日米両国の野球文化を知るマイコラスが大谷について語っていたエピソードとは?
マイコラスが語る大谷翔平「彼にはとてつもない才能がある」
大谷がこれほど早く渡米できたのは、日本ハムがポスティング・システムでのメジャー移籍に同意していたからだ。それを条件としたからこそ、大谷は高校卒業後に渡米せず、日本プロ野球界入りを選んだのだった。
「FA権を得るまでは9年もプレーしなくちゃならない。21歳や22歳でプロ入りしたなら、30歳まで移籍はできないことになる。それでは歳を取りすぎているし、家庭を持っていたりしたら身動きも取れない。それでも24、25、26歳でメジャー移籍を望んでいる選手はたくさんいる。けれど球団側が手放さないんだ。つらいだろうし、なんとも不運だと思うよ。1球団に3、4人はメジャーリーグ級の選手がいる状況なのに」
大谷はデビュー後わずか2カ月で、世界のトップレベルの選手たちと戦える実力を証明してみせた。打撃力のみならず、投手としても優れていることはマイコラスも当然認めていた。
「ここまでは非常にいいプレーを見せてくれているね」マイコラスがそう言ったのは、大谷がグレード2の靭帯損傷と診断される前のことだった。「1シーズンは日本よりも長いし、多くのことが日本とは異なる。でも彼にはとてつもない才能があるから、これからどうなっていくのか楽しみだよ」
「本当に騒がれ出したのは…」
日本からメジャーへ渡ったとき、大谷の伝説は一層輝きを増した。日本ハムでも二刀流選手だった大谷だが、太平洋を渡るとなると、周囲はますます彼を持ち上げるようになった。
「アメリカでは、彼が二刀流だということはそれほど騒がれていなかった。たった一人の二刀流選手で、かつ日本のスーパースターでもあり、毎日ニュースに取り上げられているというのに。たぶん、日本で何年もそのプレースタイルでやっていたからだと思う。本当に騒がれ出したのは、実際にこっちに来てからのことさ」
《前編「エンゼルスのチームスタッフが見た大谷の素顔」編から続く》