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大谷翔平が「まるで弟みたい」ちょっかいを出され爆笑…仲間達に愛されたメジャー1年目のロッカールーム「清掃スタッフにも礼儀正しい素顔」
posted2024/01/23 11:00
text by
ジェイ・パリスJay Paris
photograph by
Getty Images
エンゼルスからドジャースへと移籍した大谷翔平(29歳)。新天地で新たな指揮官・チームメイトたちと出会い、どのような輝きを放つのか、楽しみだ。開幕を前に、『大谷翔平 二刀流メジャーリーガー誕生の軌跡』(&Books)より、大谷が新米メジャーリーガーだった頃のエピソードを改めて紹介する。(初出:2019年3月20日/年齢・肩書などはすべて当時) 《全2回の前編/「先輩が見た大谷の超ストイック生活」編に続く》
“ハイ、マイ・ネーム・イズ・ショーヘイ・オオタニ”。
当時もっとも注目を集めていた一人の野球選手がエンゼルスファンにこの6語で自己紹介をした。2017年の暖かな12月9日に行われた大谷翔平の入団会見は、野球史で長く語り継がれることだろう。
日本人の二刀流スター選手である大谷は、並みいるメジャー球団の垂涎の的であり、そんな彼がロサンゼルス・エンゼルスを選択したことは、チームにとって大勝利に他ならなかった。
投げることにも打つことにも秀でた貴重な存在を得た日であることは間違いない。そして大谷は、恥じらいと若さの溢れる第一声で世間に語りかけた。
「投打どちらかに専念したほうがいい」批判もあった
二刀流の才能は大谷独特のものであり、投手か打者のどちらかに専念したほうがいいという意見もあったのは事実だ。それでも大谷は投打双方に高い能力を持ち、二刀流でメジャーに挑んでいこうという不屈の精神を持っていた。
野球が発展してきた歴史を振り返ると、確かに一つのスキルだけを磨くのが常識となっている。投手としての腕を磨くなら、打撃は控えなければならない。打者として活躍するなら、登板は避ける。どうしてもという場合は最小限に。
ところが大谷があらわれて、インサイドアウトのスイングで逆方向へヒットを打つかのように、この常識を覆してしまった。
彼のパフォーマンスは圧倒的で、そのクオリティは二刀流が絵空事などではないと信じるに足るものだった。
もし大谷が、周りから二刀流など諦めてどちらかに専念するよう、説得されたとしたらどうだろう。
「“ピッチャーなのにバッティングもできる”とか、“バッターなのにピッチングもできる”というのを目指しているわけじゃないんです」大谷は北海道日本ハムファイターズで最後のシーズンを迎えるにあたり、共同通信社にそう語っていた。
「そうではなくて、ただどちらもやりたいんです。子どものころから、ずっとどちらもやりたかった。野球を始めたときも、一流のピッチャーになるんだとか、一流のバッターになるんだとか思っていたわけじゃない。いいバッティングをしたい、いいピッチングをしたい。それをいつも望んできました」