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地元・大船渡の夜空を見上げ「こんなに星が綺麗だったのか…」ロッテ・佐々木朗希が秘めていた思い「笑顔が増えた」キャンプから始まる5年目の青写真 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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photograph byChiba Lotte Marines

posted2024/02/12 11:01

地元・大船渡の夜空を見上げ「こんなに星が綺麗だったのか…」ロッテ・佐々木朗希が秘めていた思い「笑顔が増えた」キャンプから始まる5年目の青写真<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

キャンプでの練習の合間にリラックした表情を見せる佐々木朗希

 世間がいつも注目をするのは球速。昨年、日本人最速タイの165kmを計測したことでこの数値を超える期待は高い。ただ本人はいたって冷静。「スピードは意識していない。結果として出るだけ」と話をするにとどめる。狙うは球速の追求ではなく、精度だ。昨年は.229(対右打者.255、対左打者.213)だった被打率をさらに下げる事を大きな目標の一つに掲げている。

「被打率は、もう少し下げたいですし、もちろん真っすぐだけでは、どうしようもないと思うので、変化球が大事になってくると思います。総合的にレベルアップしたいなと思ってます」

初日の出の力強い光に…

 今年1月1日、佐々木朗希は午前5時に起き、地元の海岸で初日の出を拝んだ。家族の提案で出かけた。初めての事だった。寒い中で待っていると雲の間から、かすかに光が差し込んだ。そして日が昇った。燦燦と輝く太陽に、息をのんだ。真冬でも力強い光を放っていた。雲が多く完全な姿は見えなかったが、光はどこか暖かく家族を包んでくれているようだった。2024年、一年の無事を願った。

 プロ1年目は一度もマウンドに上がることなく終えた。2年目はプロ初勝利を含む3勝。クライマックスシリーズ・ファーストステージでも先発をするなど大器の片鱗を見せた。3年目は完全試合を含む9勝。順調に階段を昇ってきた。その中で迎えた4年目は故障もあり7勝。プロ入り後初めて、思い描いていたものとは違う一年で終わった。

 捲土重来。昨年の反省を胸に強い気持ちで挑むシーズンがまもなく始まる。日本中の野球ファンがそのマウンドさばきを見ている。メディアの注目度はさらに上がっている。誰もが期待をする中、期待以上のパフォーマンスをみせる男。それが佐々木朗希なのだ。真冬の星のように美しく、新年の太陽のように力強く。マリーンズの背番号「17」は24年、これまで以上の躍動した姿を披露する。

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