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地元・大船渡の夜空を見上げ「こんなに星が綺麗だったのか…」ロッテ・佐々木朗希が秘めていた思い「笑顔が増えた」キャンプから始まる5年目の青写真
posted2024/02/12 11:01
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph by
Chiba Lotte Marines
真冬の夜空は綺麗だった。昨年末、地元・大船渡で自主トレを行った佐々木朗希は遅い時間に練習を終え、真っ暗な中、帰路についた。学生時代から歩いていた道だった。なんとなく、空を見上げた。星が輝いてた。
「ここって、こんなに星が綺麗だったのかと思いましたね。本当に綺麗だった。特に冬って、いつも以上に綺麗に見えるじゃないですか。まさにそんな感じでした」
岩手の冬の夜空に…
その時の光景を佐々木朗希はしみじみと振り返った。プロに入ってから、なかなかゆっくりと空を見たこともなかった。あらたまって立ち止まって、頭上を見上げると無数の星がキラキラと輝いていた。小さく輝いている星もあれば、強い光を放っている星もあった。子供の頃はよく見上げていた岩手の冬の夜空。何気ない、いつもの空だったが、特別に感じた。久しぶりに地元に帰り、そんな当たり前だったことをもう一度、思い返し、小さな幸せを感じた。
短いオフを終え、1月30日に石垣島入りすると精力的に身体を動かす日々が始まった。寒い地域での自主練習を経て、今度は気温25度を超える夏日の石垣島でのキャンプイン。「5年目になりますけどコンディションもいい状態で迎えられたかなと思います」と充実した表情を見せた。
オフは毎日、身体を動かした。それが佐々木朗希の恒例のオフの過ごし方だ。外食をする機会も少なく、遊びにでかけることもない。買い物に行ったのも数えるくらいだ。
「1月に入って休んだのは1回か2回ぐらい。毎日、身体を動かしていました。練習をしっかりとできたのでいい準備をしてキャンプインを迎えました」
描く明確なビジョン
年末年始も元旦も身体を動かし、新たなシーズンに備えていた。
5年目を迎える今季、吉井理人監督は「彼も5年目。ここまで3シーズン一軍で投げていて、どうやって開幕を迎えたらいいか、調整の仕方はわかっている。そこはしっかりと任せたいと思う」と、キャンプではある程度の調整を本人に一任している。