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「あえて距離を置いていた」“憧れの人”和田毅にロッテ・小島和哉が再入門した理由「僕の話を聞いてくれた後に…」「こういう上司、カッコいいなあ」
posted2024/01/22 11:04
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph by
Chiba Lotte Marines
帰省した実家で子供時代に使っていた部屋を掃除している時のこと。小島和哉投手は、かつて集めていた大量の野球カードを見つけ、懐かしくその1枚1枚を眺めた。中でもとりわけ大事に保存されていた、1枚のカードに目が止まった。福岡ソフトバンクホークスの前身、ダイエーホークス時代の和田毅投手が投げている写真のカードだった。
「なんか不思議な感じがしました。子供の時に憧れていた方とプロのマウンドで投げ合う機会をいただけたり、1月には一緒に自主トレをさせていただけたりしていることに。子供の時の自分が聞いたらビックリするだろうな、と思うとニヤけてきました」
憧れの存在との出会い
憧れの人を初めて生で見たのは小島が早稲田大学在籍中の4年時。1月の自主トレ期間に和田が母校のグラウンドで練習をしていた。その姿を小島は遠目に見ていた。
「自分の練習に集中しようとは思っていたのですが、どうしても見てしまう。『すごい。本物だ』と思いながらチラチラ、横目で見ていました」
和田もその時のことは覚えていた。「彼がたぶん大学4年の時。あれが今度、ドラフト候補に挙がっている子かと思ったのは覚えています。話をすることは出来なかったのですが、ボクも気になって彼がキャッチボールをしている姿は見ていた」と言って、懐かしそうに笑った。
プロに入ってからは3年前の2021年に10日間ほど長崎で行っている和田の自主トレ先を訪れ、練習方法などを吸収した。ただ、それ以降はあえて距離を置いた。
「憧れの存在です。そして自分は、大学の大先輩でもある和田さんを超えるような存在になりたいという、大きな、大きな目標がある。そういう風に目標にさせていただいている方に簡単に教えてもらうという姿勢で本当にいいのかなと。超えるという目標を持っているなら、それは違うんじゃないか、と自分の中で考えることがあって、極力、やめようと思ったんです」