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「学法石川が遅れています!」NHK実況も困惑…2015年の学法石川“奇跡の世代”優勝候補だった都大路で起きたこと「箱根より報道陣が多かった」
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph byJIJI PRESS
posted2024/01/20 17:01
ガクセキ“黄金世代”が優勝候補として臨んだ2015年の全国高校駅伝。結果は予想外のものだった
「なんであんな走りになってしまったのか――やらかしてしまったっていう思いでした。相当、ショックでした」
後方からの集団に抜かされ、順位を上げるどころか13位に後退。悔やんでも悔やみきれない走りになった。
この時点で優勝へのプランは崩れたと言っていい。チームの誰もが優勝は難しいことを悟っていた。
それでも3区の遠藤はさすがの走りを見せる。日本人トップの区間4位と快走し、入賞圏内の6位に押し上げた。だが、先頭の世羅は留学生のポール・カマイシが遠藤より1分も速かった。
3区を終えた時点で先頭との差は1分46秒。すでに大差を付けられていた。4区の相澤も13分台ランナーの本領を発揮できず、区間14位に終わる。悪い流れを変えることができなかった。
優勝争いに絡めず…7位でのゴールイン
5区に抜擢された半澤は、その戦況を選手輸送のバス内で見守っていた。
「めちゃくちゃ緊張していました。でも、こういう言い方は良くないかもしれませんが、ちょっとほっとしてしまった自分もいました。先頭が見える位置だったら、もっとガチガチだったと思います。
前が遠くて後ろが近かったので、後ろに追いつかれないように気にしながら走っていました。後ろを気にしている時点でダメだったと思うんですけど」
結局半澤は6位をキープしたものの、区間22位に終わっている。
そのままチームはなんとか過去最高タイの7位に踏みとどまり、3年連続となる入賞を果たした。しかし、優勝争いには全く絡むことができなかった。フィニッシュ地点の西京極陸上競技場に一足早く戻った阿部と田母神は、涙とともにアンカーの真船を出迎えることになった。