実際、雑誌『週刊プレイボーイ』年始のインタビューで、森保監督は、代表監督として2期目に入ったからこそ気をつけなければいけないことについて、以下のように語っている。

〈長期政権になることでマンネリズムに陥る可能性もありますから、その点には十分に注意して役割を全うしたいと考えています〉

　だから、カタールW杯の後におよそ11カ月もの間代表に呼ばれかった南野が再び中心選手としての立場を取り戻す物語は、従来の森保監督のマネジメントに一石を投じるものになる。マンネリズムを打ち破る存在になりえるのだ。

周りが若くなったからとかはあまり全く考えてなくて

　カタールW杯からおよそ11カ月近く代表から離れる苦しい時期があった代わりに、そこで一回りたくましくなって戻ってきたことで、南野は胸をはって「チャレンジャー」として戦えるようになった。そして、その立場を楽しんでいる。

「周りの年齢が（10番を背負っていたときより）若くなったからとかはあまり全く考えてなくて。この代表でスタメンとして試合に出て、結果を残すということに対して、本当に貪欲というか……。そのためには、自分が歳を取ったとか、周りが若くなったとか、そういう考えって一切不要なんです。自分のやるべきことにただ集中してプレーできているし、（どんどん）貪欲になっていっているという感じなんです！」

　その貪欲さこそが南野の才能である。その才能が発揮されているから、今の南野のプレーからは力強さや泥臭さの他に、躍動感が伝わってくるのだろう。その躍動感が、観る者にはサッカーの魅力を、試合で対戦する者に脅威を与えるものであることは言うまでもない。

　これに続く「第3回」では、現在の日本代表が取り組んでいる攻撃のテーマと、南野の特長との蜜月関係について見ていこう。

＜つづきは第3回へ＞

#3に続く

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