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「圭汰が抜かれるなんて…」駒澤大の食堂は静まり返った「こんなこと今までなかった」監督&選手が証言する“最強軍団が青学大に完敗するまで”
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNaoya Sanuki
posted2024/01/05 06:00
3区で22秒差を詰めて、駒大・佐藤圭汰(右)の背後につき、追い抜こうとする青学大・太田蒼生。藤色の最強軍団はまさかの展開に言葉を失った
「このチャレンジはうちしかできないことだったので、すごく誇りに思いますし、駒澤大学にとって大きな財産になったと思います。もちろん、(3冠を)取れなかった悔しさはあります。(現役時代)私も出雲、全日本を取って箱根を取れなかったので、またかという思いです。箱根は取れそうで取れない。区間配置や選手の起用についてもその難しさを改めて感じました。そういう目を私自身もっと磨いていかないといけないと思いますし、来年は箱根で勝てるチーム作りをしていきたいと思っています」
自分を責めずに再び箱根でやり返してほしい
レース後、各大学のミックスゾーンは、選手と報道陣でごった返していた。大きな窓の近くに佇んでいた安原は、「何も残せなかった」と悔しさを噛みしめた。
「後輩たちに2年連続3冠を残していこうというのは4年生のミーティングでも言ってきましたし、4年生が全員そう思ってやってきました。それができなかったのは、本当に残念でした。この悔しさをみんなが感じてほしいですし、帰山も自分を責めずに箱根でやり返すぐらいの気持ちでこれから頑張ってほしい。来年の箱根は絶対に取り返してほしいですね。僕は、これからは一ファンとして応援していきます」
駒澤大が2年連続3冠に果敢に挑戦した姿勢は、他大学を刺激し、青学大の大会新記録での優勝を生む一つの要因になったのは間違いない。また、駒澤大が今年以上に強くなるためのステップとして考えれば、今回の箱根2位はこれ以上ないモチベーションになるはずだ。
駒澤大の2024年は、悔しさを力に変える1年になる。