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全国高校駅伝3年ぶり入賞で「ホッとして謎の発熱」した12年前…佐久長聖高・高見澤勝監督が“開眼”したわけ「こうやればいいんじゃないのか」
posted2025/12/25 17:05
監督就任4年目の2014年頃、指導の感覚をつかんできたという高見澤勝監督。次第に佐久長聖高は安定した成績を残す強豪校となっていった
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高見澤勝Masaru Takamizawa
photograph by
Yuki Suenaga
2023年、24年と全国高校駅伝を連覇。今年は10位にとどまったものの、全国屈指の強豪校として名を馳せるのが佐久長聖高校だ。だが同校の高見澤勝監督が就任してから、近年のような強さを発揮するまでにはさまざまな試行錯誤があったという。
現在も同校を率いる高見澤監督が、その経験と方法論のすべてを明かした著書『佐久長聖はなぜ強いのか? 「人」を育てチーム力を上げる指導メソッド』(竹書房)から一部転載で、当時の内幕をご紹介します。〈全4回の4回目/はじめから読む〉
現在も同校を率いる高見澤監督が、その経験と方法論のすべてを明かした著書『佐久長聖はなぜ強いのか? 「人」を育てチーム力を上げる指導メソッド』(竹書房)から一部転載で、当時の内幕をご紹介します。〈全4回の4回目/はじめから読む〉
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監督就任3年目の2013年、全国高校駅伝で初めて入賞することができました。前年で活躍した2年生世代が成長して、他の選手も力をつけてくれれば入賞できるんじゃないかというイメージはあったんです。ただ夏のインターハイは結構な人数が出たんですけど、ボロボロでした。ある先生に、「あのとき高見澤はめちゃくちゃ落ち込んでいたよね」といまだに言われることがあるほどです。
インターハイの失敗は調整にあったと思います。私は心身ともにいけるんじゃないかと感じていても、子どもたちの調子はうまく上がっていませんでした。実はこうすればいいなと思いながら、まだ言えなかった自分がいたんです。それがボロボロの結果に結びついてしまったと思います。
3年ぶりの全国高校駅伝入賞と謎の発熱
それで自分自身を改めることにしました。監督就任1・2年目の選手たちと異なり、3年目の選手たちは全員が高見澤・市村体制になるとわかったうえで来てくれた選手たちです。遠慮せずにやっていこう、と。自分のカラーを出していき、自分が言いたいことを表に出していかないといけないなと感じたんです。
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全国高校駅伝(1区髙森建吾9位、2区關颯人5位、3区春日千速5位、4区藤木悠太9位、5区川口賢人5位、6区蟹澤淳平5位、7区酒井雅喜1位)は2時間4分25秒の5位。3年ぶりの入賞です。喜びというより、本当にホッとしました。
