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「スカウトに大苦戦」「正直、何をしたらいいのか」強豪の指揮を受け継ぐも全国高校駅伝で“ワースト記録”…佐久長聖高の名監督「黎明期の苦闘」

posted2025/12/25 17:04

 
「スカウトに大苦戦」「正直、何をしたらいいのか」強豪の指揮を受け継ぐも全国高校駅伝で“ワースト記録”…佐久長聖高の名監督「黎明期の苦闘」<Number Web> photograph by KYODO

高見澤勝氏が監督に就任した1年目、2011年の全国高校駅伝は同校ワースト記録の21位。高見澤監督は「やってしまった……」と青ざめたという

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高見澤勝

高見澤勝Masaru Takamizawa

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KYODO

2023年、24年と全国高校駅伝を連覇。今年は10位にとどまったものの、全国屈指の強豪校として名を馳せるのが佐久長聖高校だ。同校の高見澤勝監督が、就任1年目の2011年に直面した厳しい現実とは?
 現在も同校を率いる高見澤監督が、その経験と方法論のすべてを明かした著書『佐久長聖はなぜ強いのか? 「人」を育てチーム力を上げる指導メソッド』(竹書房)から一部転載で、当時の内幕をご紹介します。〈全4回の3回目/つづきを読む
『佐久長聖はなぜ強いのか?「人」を育てチーム力を上げる指導メソッド』(竹書房)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします『佐久長聖はなぜ強いのか?「人」を育てチーム力を上げる指導メソッド』(竹書房)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

 監督就任1年目(11年)は両角先生の言葉通り、自分で考えて指導をしました。3年間、ほぼ毎日会っていた両角先生がいないなかで私は頑張りました。無事に長野県高校駅伝を勝って、全国高校駅伝の出場を決めましたが、不安で仕方なくなったんです。

「正直、何をすればいいかわかりません」と私は初めて両角先生にアドバイスをお願いしました。事務的な部分も含めてですが、これからどのように選手たちを持っていけばいいのか。全国に向けてのプレッシャーが凄くあったんです。

21位に「やってしまった……」

 最上級生を迎えた駿がエースでした。長野県高校駅伝のときに脚に不安を抱えていたんですけど、本人が「出たい」というので1区に起用したんです。今の私でしたら「NO」を出していますが、私自身の経験不足がもろに出ましたね。

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 駿は1区を区間新記録で走ったんです。素晴らしい活躍をしたんですけど、そこで完全に脚を痛めてしまって、全国高校駅伝に出場できませんでした。本人にもそうですし、両角先生にも申し訳ない気持ちが強かったです。

 全国高校駅伝(1区上倉利也24位、2区髙森建吾2位、3区池田生成43位、4区臼田康一郎10位、5区小田切将真11位、6区松下拓磨28位、7区山浦大輔4位)の結果は2時間8分29秒の21位。当時は、「やってしまった……」という気持ちでした。

【次ページ】 ワースト記録からのスタート

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