「親にも言うな」セオリー破壊の区間配置で初優勝…17年前、全国高校駅伝“超名門校”の原点を現監督が回想「今考えても、最強世代だった」

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母校で指導者のキャリアがスタート

　2008年春に情報科の教諭として佐久長聖高校に赴任。同時に駅伝部のコーチになりました。大学卒業後、4年間、実業団選手として活動してきましたが、自分は走りながら指導するつもりはありませんでした。しかし、両角速先生から、「走れるうちは走っておけよ」と言われたら走るしかありません。個人のためではなく、選手のために走るようになりました。

　全国高校駅伝前のポイント練習など重要なメニューは「ペースメーカー」として引っ張ることもありましたが、たいていの場合は、一番後ろについて走るかたちです。集団の後ろから選手たちを見渡して、間近で感じたことを両角先生に伝えました。私が高校に入学したときの両角先生と同じですね。

　高校時代の私は、両角先生が一緒のときは、「遅れるわけにはいかない」と必死に走ったので、同じように感じていた生徒もいたと思います。

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　ただ当時のチームは村澤明伸、大迫傑という世代トップ選手がいて、非常にレベルが高かったので、正直、練習では選手よりも私が苦しんでいたかなと思います（笑）。

同タイムで仙台育英に敗れた2007年

　コーチで入る前年度の2007年の全国高校駅伝で佐久長聖は2時間3分55秒の好タイムをマークしながら、仙台育英高校に同タイムで敗れて、準優勝だったんです。当時、2時間3分台で勝てなかったのは佐久長聖が初めてでした。私は山梨のアパートでテレビ中継を観ていましたが、最後、競り合いに負けた瞬間、大声をあげていました。それくらい熱くなっていたんです。

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