- #1
- #2
野球善哉BACK NUMBER
「中日の中田翔加入…やはり影響大」「巨人はピッチャー大補強、どうなる?」プロ野球の移籍“どこが成功した?” 本音で採点する《セ・リーグ編》
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byJIJI PRESS
posted2023/12/23 11:06
来季から中日に加入する中田翔。右が立浪和義監督
楽天から獲得した西川遥輝は外野の一角を担う可能性がある。2球団を渡り歩いたものの、山田哲人と同学年。まだ老け込むような年齢ではない。もう一花咲かせたいところだ。リリーバーとして期待がかかる嘉弥真新也はワンポイントの仕事人。巨人から現役ドラフトで獲得した北村拓己、ソフトバンクから加入した増田珠にも伸び代を感じる。
投手陣は、外国人投手2人と契約、さらに西武とのトレードで宮川哲を射止めるなど、最善は尽くした印象だ。今季はWBC組の不調などでどん底な状態だったが、再浮上を目指せるだけのメンバーはいる。
「50点」阪神…現有戦力とドラフト中心
38年ぶりの日本一に輝いた阪神はどうか。
2年目のシーズンになる森下翔太、佐藤輝明など、伸び盛りの選手たちも多いためか、補強は現役ドラフトで獲得した漆原大晟と、新外国人投手のみ。前川右京やオフの期間に支配下に登録された野口恭佑の台頭に期待したいところだ。
一方、ドラフトでは1位で下村海翔(青山学院大)を獲得。遅くとも6月までにはデビューできると見ている。2位の椎葉剛(徳島インディゴソックス)も即戦力としての期待が高く、阪神はドラフト指名を中心とした補強だったといえる。
「50点」広島…西川の穴、補強では埋まらず
下馬評を覆して今季2位と躍進した広島は、補強がほとんど見られなかった。
現役ドラフトで楽天から獲得した内間拓馬と、新外国人の獲得にとどまった。とはいえ広島は、育成に主眼を置き、主力に外国人助っ人を置くのが定番スタイル。今季もその形を継承した模様だ。
打線は西川龍馬がFAで移籍したが、田村俊介などファームにプロスペクト選手がいる。5年目の小園海斗がようやくチームの顔になり、正捕手の坂倉将吾が攻守で引っ張っている。課題は左打者偏重の打線か。日本復帰3年目のシーズンを迎える秋山翔吾は左投手を苦手としないものの、右打者の台頭が望まれる。残された補強に西川の人的補償があるが、右打者になる可能性が高い。
3連覇を達成したチームから顔ぶれも大きく変わってきた。新井貴浩監督のもと、来季は阪神の牙城を崩す存在になり得るか――。
〈パ・リーグ編からつづく〉