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ロッテ・藤岡裕大が明かす「幕張の奇跡」の裏側…初めて腹をくくった“長打狙い”「ゾーンってこんな感じかも、って」…大歓声に誓った“ある決意”
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2023/11/10 11:00
劇的な一打を放った藤岡を出迎えるベンチはお祭り騒ぎ。スタジアムは興奮の坩堝と化した
11月2日には都内の焼肉店で中堅、ベテラン選手たちが集っての慰労会が開かれた。その場でも藤岡はやはりシーズン最終戦の夜と同じく「悔しい」、「勝ちたかった」と何度も口にして、誰よりも熱く来年のチームについて語ったという。選手会長の益田直也は「本当に藤岡は熱い男。熱弁してましたよ」と目を細める。
来季へ続く「幕張の奇跡」の物語
「自分の成績よりも最後にチームが勝てるのが一番。今年、ああいう勝ち方もして、凄い声援をもらって、やっぱりマリンで満員のファンの前でもっと勝ちたい。優勝したいと思いました」
あの日、藤岡は2万9050人の大観衆の歓声を一身に浴びた。ダイヤモンドを一周しながら鳥肌が立った。興奮の坩堝と化したZOZOマリンスタジアムを目にした。「ここで優勝を決めたら、どうなるのだろう?」。藤岡は、そしてマリーンズの選手たちは誰もがそう思った。だから、このオフ、マリーンズの戦士たちはすぐに立ち上がり、汗を流している。それぞれの課題に向き合い、長所を伸ばすべく、歩むべき道を一歩ずつ進んでいる。
「幕張の奇跡」で終わらせない。2024年、もっとすごい物語を見せるために。