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ロッテ・佐々木朗希「異例の早期復帰」の理由…吉井監督が描いた“道筋”と秘めた覚悟「ワシが決断し、ワシが責任を取る」
posted2023/09/14 17:01
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph by
Chiba Lotte Marines
背番号「17」が帰ってきた。9月10日のバファローズ戦。佐々木朗希投手が48日ぶりに先発マウンドに上がった。名前がコールされるまで一塁側ベンチ横でキャッチボールをするルーティンを繰り返した佐々木朗希は、待ちわびたファンから万雷の拍手を浴びながら軽い足取りでマウンドに向かった。
「まずは無事に今日、投げることができてよかったです」
試合後、ロッカールームで汗を拭いながら、静かにそう口にした。初回に1点を先制されたが3回45球を投げて2奪三振、被安打2。自慢のストレートもMAX161kmを記録した。球数、イニングとほぼ予定通りでの交代。降板後はベンチ最前列で応援し、仲間たちを鼓舞し続けた。
“完全試合男”の帰還
2点ビハインドの最終回2死一、二塁。山口航輝外野手の打球はもう少しでサヨナラホームランにも見える高い弾道を描いたが、惜しくもレフトフライ。グラブに収まった打球の行方を恨めしそうな表情で見つめ、佐々木朗希はグランドを後にした。
復帰戦で今季3敗目。タイガース、ベイスターズと今年はここまで交流戦でのセ・リーグ相手の敗戦だったこともあり、パ・リーグ相手には初黒星となった。それでもシーズン最終盤の局面で“完全試合男”が戻って来られたことは大きい。佐々木朗希も「これから大事な試合が続くので少しでも力になれるよう次に向けて準備をしていきたい」と前を向き、闘志をみなぎらせた。