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鎌田大地27歳「監督たちからすごく評価されている」新境地の数値「2.3」…ラツィオでの「苦しい時期」に見る伸びしろ〈CL現地取材〉 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byMondadori Portfolio/Getty Images

posted2023/09/22 18:15

鎌田大地27歳「監督たちからすごく評価されている」新境地の数値「2.3」…ラツィオでの「苦しい時期」に見る伸びしろ〈CL現地取材〉<Number Web> photograph by Mondadori Portfolio/Getty Images

CLアトレティコ戦に先発出場した鎌田大地

 51分、ペナルティエリアの右奥のハーフスペースに飛び出していき、パスを引き出したシーンである。

 ここではゴール前に折り返したが、中央で待つエースのインモービレには合わなかった。鎌田のフランクフルト時代との決定的な違いは、こうやってボックス内やゴール前に飛び込んでいく場面が増えたことだ。それは〈4-1-4-1〉の右のインサイドハーフである鎌田よりも前に、FWインモービレしかいないというチームの戦い方とも関係している。

 鎌田のリーグ戦における過去3シーズン(フランクフルト時代)との1試合あたりの平均のシュート数を見ても、ゴール方向にアタックしている成果は見えてくる。

 20-21シーズンの平均シュート数:1.3本
 21-22シーズン:1.4本
 22-23シーズン:1.6本
 23-24シーズン(今シーズン):2.3本

「監督たちからはすごく評価されているので」

 フランクフルト時代には見られなかったような高い位置への飛び出しについて、鎌田はこう考えている。

「ラツィオ(の攻撃)は独特な感じがある。あまり、中には選手がいない感じで。ただ、自分自身がああいうところに走っているのを、他の選手たちも最近はよくわかってくれて、見てくれるようにもなっている。仮にパスが出てこなくても、そういう走りをしているところも、監督たちからはすごく評価されているので。続けていくことが大事かなと思います」

 確かに、ここまでのリーグ戦などでは、ゴール前に顔を出しながらも鎌田の元へパスが来ずに、天を仰いだり、頭を抱えるシーンがたびたび見られる。

 ただ、周囲がようやく自分の動き出しを見てくれるようになったという感覚があるということは、今後はさらに決定機に絡んでいく回数が増える可能性が十分にあることを示している。

 今シーズンのラツィオはリーグ戦では格下相手に2連敗のスタートを切った。そのあと、ナポリ、ユベントス、そして今回のCLアトレティコと、強豪との3連戦を1勝1分1敗で終えたチームについて鎌田はこう言う。

【次ページ】 鎌田はラツィオで輝くための「伸びしろ」を持っている

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