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JリーグPRESSBACK NUMBER
「Jリーグで最下位のスタジアム」いわてグルージャ盛岡・秋田豊社長が語る“スタジアム改修”への熱意「岩手県からサッカーの火を消さないために」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byMasashi Hara - JL/Getty Images for DAZN
posted2023/09/13 18:30
いわてグルージャ盛岡がホームとして使用する『いわぎんスタジアム』。秋田豊社長はスタジアム改修の必要性を強く訴えている
「我々は崖っぷちに追い込まれているんです」
1993年の開幕から30年を迎えたJリーグは、ふたつの成長テーマを掲げている。「60クラブが、それぞれの地域で輝く」と、「トップ層がナショナル(グローバル)コンテンツとして輝く」というものだ。結果的に、J2やJ3のクラブへ目配せをしながらも、J1のクラブへの支援が手厚くなっていく。国際的な競争力を高めていくために、共存から競争へとシフトチェンジしつつある印象だ。
J2やJ3のクラブには、これまで以上に自立した経営が求められる。健全な成長を遂げていくためのハードとして、相応の収容人数を持つスタジアムは必要だろう。
「スタジアムの収容人数を増やして、グルージャだけが潤えばいいなどとは、まったく考えていないんです。岩手県が発展するために、岩手県からサッカーの火を消さないために、僕らはやっている。岩手県にいる子どもたちが『ここでプレーしたい』と思える環境を作っていきたい。スタジアムの改修によって、Jリーグで生き残っていきたいんです」
「生き残る」という言葉が、ごく自然に出てくる。スタジアムの改修に対する、秋田の強い危機感が分かるだろう。
「8月に盛岡市長選と市議会選が、9月上旬には県知事選と県議会選挙が行なわれました。その結果次第で行政側の方針が変わるところもありますし、スピード感をもって議論を進めていかないと、あっという間に来年6月の期限が来てしまう。Jリーグで戦い続けるためのライセンスを取れるかどうか、我々は崖っぷちに追い込まれているんです」
<後編に続く>