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「Jリーグで最下位のスタジアム」いわてグルージャ盛岡・秋田豊社長が語る“スタジアム改修”への熱意「岩手県からサッカーの火を消さないために」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byMasashi Hara - JL/Getty Images for DAZN
posted2023/09/13 18:30
いわてグルージャ盛岡がホームとして使用する『いわぎんスタジアム』。秋田豊社長はスタジアム改修の必要性を強く訴えている
「老朽化以前の問題。Jリーグの60チームで最下位」
鹿島アントラーズ、名古屋グランパス、京都サンガで現役時代を過ごし、1998年のフランスW杯、2002年の日韓W杯に参加した元日本代表DFである。引退後は京都、FC町田ゼルビアで監督を務め、2020年から22年までグルージャを指揮する。クラブを初のJ2の舞台へ押し上げ、22年シーズン終了後に現職に就いた。
「スタジアムの新設や改修には色々な理由があると思いますが、我々の場合は老朽化以前の問題です。Jリーグ60チームで最下位のスタジアムだと思っています」
スタジアムの基準を満たせていない現在は、例外規定制度によってJリーグで戦うためのライセンスを交付されている。ただし、例外規定制度には期限がある。スタジアムの整備計画を、来年6月までにJリーグに提出しなければならないのだ。
「改修によって8500人規模を想定し、屋根も整備します。J1は1万5000人収容、J2は1万人収容という条件がありますが、ホームタウンの人口が50万人以下だと条件が緩和される見込みなので、8500人でも問題ないと考えています」
今年7月末にはいわてグルージャ盛岡の運営会社が中心となり、岩手県と盛岡市の担当者、県内の企業関係者が参加する協議委員会が立ち上げられた。月一回程度の頻度で改修についての議論を重ね、市や県を通じて議会の承認を得たうえで、建設計画書を練り上げていく。
改修費用は設計費を含めて、45億円と試算する。そのうち約20億円は国の補助金で賄い、残りの約25億円をいわてグルージャ盛岡、岩手県、盛岡市の三者が負担することで合意を得たいとする。
「自分たちでお金を集められれば一番いいのですが、なかなかそうもいかないのです。岩手県と盛岡市には、それぞれおよそ8億4千万円を負担していただくことになりますが、3年に分けて予算を取ると2億8000万円になります。県や市の予算規模を考えても、それならば難しい金額ではないと考えています。我々は企業版ふるさと納税やガバメントクラウドファンディングで、資金を調達できたらと考えています。再来年完成予定のクラブハウスも、ガバメントクラウドファンディングを使って費用の一部を賄っています」