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ロッテ・澤田圭佑の復活を支えた元チームメートへの思い…大阪桐蔭の同級生・藤浪晋太郎とは渡米前に星空キャンプ「同じテントで枕を並べて」 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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photograph byChiba Lotte Marines

posted2023/08/28 17:01

ロッテ・澤田圭佑の復活を支えた元チームメートへの思い…大阪桐蔭の同級生・藤浪晋太郎とは渡米前に星空キャンプ「同じテントで枕を並べて」<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

様々な苦難を乗り越え、完全復活を遂げたロッテ・澤田

思い出の地で「再スタート」

 澤田は8月12日のライオンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)で9回に4番手として登板。1イニングを打者3人で抑えるとその裏の攻撃で逆転サヨナラ勝ちとなり、19年5月2日以来、1563日ぶりの白星を掴み、お立ち台に上がった。そして8月26日、バファローズとの3連戦の2戦目でついに澤田の名前が京セラドームでコールされた。0対0の延長12回、緊迫の場面でマウンドに上がった。1回を打者3人。最後は廣岡大志を空振り三振に仕留め、雄叫びを上げた。気迫で試合を引き分けに持ち込んだ。

「最高でした。集中しすぎていて、なにも覚えていない。とにかく抑えられてよかった。一軍復帰に、白星に、古巣のマウンド。これで自分にとってしっかりと再スタートを切れたかなという感じです」と試合後、ロッカールームに戻ると充実した表情を見せた。

 ちなみに、京セラドームで最後に投げたのは21年8月28日のホークス戦だった。1点ビハインドの9回に登板して1回を無失点に抑えると、その裏に打線が1点を奪い、同点。当時はコロナによる特別ルールで延長がなくゲームは引き分けた。

 風も味方にした150kmを超える剛速球とベイスターズのトレバー・バウアー投手やメジャーで活躍する前田健太投手のYouTubeを見て参考にして今年から取り入れているスプリットチェンジを操りチームの勝利に貢献している。なによりも苦労人がマウンドで見せてくれる躍動感溢れる姿に人は魅了される。応援したくなる。

「何球でも投げられる気持ちに」

「必死に投げているだけです。マウンドに向かう時、マリーンズファンの声援にめちゃくちゃ感動しています。ファンの応援、後押しが凄すぎて、何球でも投げられる気持ちになります。マリーンズの初登板が今までで一番の試合。これからさらにいい思い出を作っていきたい」

 これからもマリーンズファンの大声援を背にマウンドに上がる。高校の同級生やプロの同期入団から受けた刺激やエールを胸にボールを投げる。手術、リハビリ、移籍、育成選手からの支配下登録と歩んだ濃い日々。苦労人ならではの生き様をこれからも豪快なピッチングで表現していく。

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