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なぜ鎌田大地は1年前「ベンフィカ行き飛行機チケット」が手元にあったのに残留した?“結婚の過程”もCLも…本音で語るライフプラン
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/08/20 11:08
2022年の鎌田大地。「ベンフィカ加入」目前の中でフランクフルトに残留した経緯とは
バルセロナの監督に就任したシーズンのペップ・グアルディオラが、フットボール史に残る名将サー・アレックス・ファーガソン率いるマンチェスター・ユナイテッドを下した一戦だ。サッカー史の転換点となった伝説の決勝の舞台は、ローマにあるスタディオ・オリンピコだった。
「僕の世代が夢中になっていたのは、クリスティアーノ・ロナウドがすごかったときのユナイテッドと、ペップのティキタカ時代のバルセロナだったので。中学生のときは、所属していたチームで常にバルセロナの試合を見せられていたくらいでしたからね。あのチームにはすごく憧れがありました」
「次のレベルに早く行かないと」
昨シーズン、そんな憧れの大会に出場した鎌田は、いきなり3試合連続ゴールという日本人新記録を残す活躍を見せた。そして、フランクフルトが初参戦したCLでいきなりの決勝ラウンド進出に貢献した。ただ、ノックアウトラウンドの初戦ではイタリア王者ナポリに2連敗を喫して、初挑戦を終えた。
「ナポリは本当に強かったです。バイエルンがもっとも強かった時と同じくらいの力がありました。プレーのインテンシティーは高く、スピードもある。今まで自分が対戦してきたチームの中でも、上位に入るほどの強さでした」
ただ、強いチームと顔を合わせたからこそ、感じられたことがあった。
「決勝ラウンドに行ってみて、『もう1年早く、自分は次のステップに進むべきだったかな』とは思いました。フランクフルトでやれることはマックスに近いくらいやれたので、『次のレベルに早く行かないと』という思いは強くなりましたね」
だから、この夏の移籍を選んだ。
「4大リーグでCLに出られるチームとなると、どこでも優勝の可能性はあると思うし。逆に言えば、CLに出ないかぎりは、その夢が実現する可能性もないわけで」
高い壁があるんでしょうけど、そういう壁を壊したい
そう考えて、「CL出場権を持っていて、4大リーグに所属しているチーム」に移籍先を設定した。その上で、様々なチームに話を聞いて回った。一度は決まりかけていた移籍が流れてしまう不運にも見舞われたが、当初の予定から遅れることおよそ1カ月、晴れて新天地は決まった。