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大谷翔平はエンゼルス残留濃厚…それでも今オフFAで選ぶのは? 岡島秀樹が語る“異次元の活躍”の理由と気になる去就「合っているのはドジャース。でも…」
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byNanae Suzuki
posted2023/07/28 17:03
今季好調の要因となっているのは…
残留は決定的でも今オフは…
トレードの期限は8月1日(日本時間2日)。エンゼルス残留は決定的と言われているが、それでも期限直前まで何があるか分からないのがメジャーリーグだ。
岡島氏は語る。
「どちらにしても今シーズンのオフに大谷選手はFA権を得ます。FAで、無償で他のチームに移籍させるくらいなら、その前に戦力を整えるためにもトレードを実現したいと思うかもしれません。確かに大谷選手は人気選手で、ファンからすればなくてはならない選手なのですが、メジャーの場合、選手は大切な商品で『どれだけ高く売れるか』と考えているドライな一面もありますから」
例えトレード期限内に動きがなかったとしても、今オフにFAで移籍する可能性は十分あり得ると言う。
「メジャーに移籍した当初、エンゼルスを選んだとき、私はびっくりしました。チームがポストシーズン常連であるかどうか、たくさん年俸を払ってくれるかどうか、そういった価値観ではなく『二刀流でプレーさせてくれる』エンゼルスを最優先しました。大谷選手には、自分の中に確固たる価値観があり、それに従って行動する傾向があります。彼がどのチームを選ぶのか、残留するのか、今は何とも言えない状況ですね」
「合っているのはドジャース。でも…」
エンゼルス入りの決定打が二刀流なのであれば、現在はナショナル・リーグもDH制を取り入れており、大谷の希望が叶うチームはメジャー移籍当時より多くなる。
一方、WBCで世界一となり、極限状態でプレーする楽しみや、そこで勝つ達成感を知った今、常に優勝争いを繰り広げているチームに心惹かれる可能性もある。
「大谷選手に合っているのは今と同じ西海岸のロサンゼルス・ドジャース。慣れて、住みやすい環境だというのは大きいと思います。でもそれは私の価値観。大谷選手の価値観で選んだらどうなるのかわかりません。大どんでん返しもあるかもしれませんよ。ずっとメジャーリーグを見て、憧れてきた選手であれば名門のドジャースやヤンキースに惹きつけられる場合もありますが、大谷選手の場合は、ちょっと、常人とは違う考えを持っていそうな気がしますね」
エンゼルスを自分の力で優勝させたい――。そう考えてもおかしくないと岡島氏は言った。
迫るトレード期限を前に、大谷の動向からは目が離せそうもない。〈続く〉
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