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「落石が!」海外で九死に一生“サッカー女子”眞嶋優さん25歳の告白…ミステリーハンターが体感した“強豪国の異常なサッカー熱”
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byYu Mashima/Kiichi Matsumoto
posted2023/07/29 11:01
アルゼンチンを訪れた際、マラドーナ壁画とともに収まる俳優の眞嶋優さん。海外ロケのビックリ思い出を語ってくれた
#1でも触れたが、ミステリーハンター初陣となったクロアチアの旅はカタールW杯開幕直前のタイミング。前回ロシア大会でモドリッチ、ラキティッチらの奮闘によって準優勝を飾ったクロアチアで出会ったのは……Jリーグで10シーズンもの長期間にわたって活躍し続けた名サイドプレーヤーであるミハイル・ミキッチだった。
「ミキッチさんに取材する機会に恵まれたのは、クロアチアでのロケ最終日だったんです。ザグレブでカフェ店がオープンしていて、すごい人気店だったんです。クロアチア国内なら誰もが知っている大物アーティストがその場にいたほどですから(笑)。ケーキがとても美味しかったですし、奥様のリュプカさんもおきれいだし、おふたりとも親切で本当によくしてもらいました」
「クロアチアはもちろん、日本も応援するよ」
眞嶋さんはミキッチの日本サッカーへの愛情も感じたそうだ。世界中の見立ては〈グループEはスペインとドイツがほぼ勝ち抜けだろう〉というのが一般的だったが……。
「W杯がもうすぐ開幕するというタイミングだったので、クロアチアがロシアW杯で強国を立て続けに打ち破って準優勝した秘訣を教えてくださいました。あと、ミキッチさんは〈ク口アチアのことはもちろん応援するけど、日本のことも大好きだから応援するよ〉と、熱く握手をしてくださったんです。本当にいい思い出になったな……と感動したんですが、実際にW杯ではまさか、ベスト16で対戦してあの激闘でした。だからミキッチさんの記憶はものすごく強く残っています」
カタールW杯クロアチア戦後、ミキッチはNumberWebでのインタビューに〈「日本代表が全世界に披露したサッカーに誇りを持っていい」ということ。彼らが見せたのは、いわば“未来への光”なんだ〉との言葉を残しているが――W杯前、現地を訪れた眞嶋さんにも同じスタンスで接するジェントルマンだったことは想像に難くない。
アルゼンチンは子供たちがノリノリで…
一方、カタールW杯閉幕直後に眞嶋さんが訪れたアルゼンチンの首都ブエノスアイレスは、また一味違った熱を体感したそうだ。
「アルゼンチンに行ったとき、カタールW杯で着用した日本代表ユニフォームを着用しました。それでこれを着て市内を歩いていたら、街の人々が本気で女子サッカー選手だと勘違いしたみたいなんです。子供たちがすぐにきて〈写真撮って! 写真撮って!〉と囲まれて、30人くらい集まって写真を撮りました。私のことを認識していないとは思いますが(笑)、日本代表がW杯で奮闘した価値を感じましたね」
日常生活にサッカーが根づいていることをさっそく目の当たりにした眞嶋さん。至る所に描かれた“2人の神様”メッシ、マラドーナの壁画に「国民からものすごく支持されているんだな」と肌で感じつつ、その前で眞嶋さんが得意のリフティングを披露すると……アルゼンチンの国民性をこう感じたそうだ。