マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「なぜ野球と縁もゆかりもない大学に…」プロ野球スカウトも注目の196cm、110kg “伊勢のガリバー”が語った「野球の公式」とは?
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byチーム提供
posted2023/07/15 17:01
NPBプロ野球選手はいまだいない皇學館大学所属ながらプロも注目する村田怜音。196cm、110kgの大器だ
これこそ、すべての野球部員、いや、すべてのスポーツマンが座右の銘として、自己のいましめとすべき「金言」ではないのか。
ガリバーが教えてくれた「野球の公式」?
野球の世界には、特に高校野球界には、かなり前から、「練習はウソをつかない」という格言があるが、ほんとにそうだろうかと、ずっと、そんなモヤモヤがあった。
パワーやスキルを身につけるために必要なのは「反復」……つまり「量」であるのは間違いない。だがその方法は、本当に体に害はないのか、その選手の身体能力や体質に合っているのか。
「練習はウソをつかない」という言葉には、その意味合いが欠落しているように思えてならなかった。あえて言うなら、「正しい練習はウソをつかない」だろう。
「量×質×方向性」
この公式は、まさにそんな修正格言の本質を、もっとありのままに、分かりやすく言い当てているのではないか。
「この式がすごいのは、プラスじゃなくて、掛けるっていうとこなんです。掛けるだと、1つでもマイナスがあると、答えがマイナスになってしまうじゃないですか」
スッと、胸に落ちた。
教えられた。
とんでもない長打力の取材のつもりで会いに行った「伊勢のガリバー」は、実は、とんでもない「インテリ・ガリバー」でもあった。
サラッと書いてくれた1行の簡単な公式。
それは、もしかしたら、この先の野球界が劇的に改善していくための、「とんでもない金言」になるのかもしれない。