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“エンゼルス撮影40年”大谷翔平のガッツポーズを狙う写真家(63歳)が忙しすぎる…「三塁側は早いもの勝ち」「でも、ずっとアナハイムにいて」
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph byNanae Suzuki
posted2023/06/28 11:02
カメラマン歴40年以上のアメリカ人フォトグラファーが明かす「大谷翔平の試合日ルーティン」とは
なぜ「三塁側のカメラマン席」が混むのか?
最後にひとつ。大谷はメジャーの歴史だけでなく、球場の撮影スタイルを変えた面もある。
6月下旬の対ドジャース戦、アナハイムの球場には20人以上のカメラマンがいた。ここでは、カメラマンの所属が新聞社か雑誌か、はたまたフリーランスであろうが、基本的にはみな平等だ。撮影する場所取りは「早いもの勝ち」である。だがニューヨークの某球場では、いまも大手メディアの席が決まっていて、一塁側に彼らの定位置がある。ところが最近、その“慣習”がなくなる日がある。理由は大谷だ。投げる大谷も打つ大谷も、一塁側からの角度では彼の背中しか見えない。そのため、大谷の試合に限っては三塁側のメディア席が混雑する。聞いた話によれば、そこに優先権はないという。
「オオタニが投げるから」「オオタニのホームランを見たいから」。ファンを球場に連れてこられる選手は、あらゆるスポーツにおいて稀である。移籍報道も加熱しているように、いつかアナハイムを離れる日が来るかもしれない。もちろん彼にはベストな選択をしてほしいが、私は素直な思いを伝えたい。これからもずっと、アナハイムにいてほしい。今後の人生、彼のようなスポーツ選手は二度と現れないだろうから。
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