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“エンゼルス撮影40年”大谷翔平のガッツポーズを狙う写真家(63歳)が忙しすぎる…「三塁側は早いもの勝ち」「でも、ずっとアナハイムにいて」
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph byNanae Suzuki
posted2023/06/28 11:02
カメラマン歴40年以上のアメリカ人フォトグラファーが明かす「大谷翔平の試合日ルーティン」とは
大谷の第一印象「アメフトの選手みたい」
当然、大物アスリートといっても考え方やキャラクターは千差万別だ。だからこそ、あのときもワクワクした。今度アメリカに、それもロサンゼルスにやって来るニッポンのスターはどんな選手なんだろうか。投げるのも打つのも超一流なんて本当か、と。
いまでも鮮明に覚えている。はじめて大谷を見た2017年12月の入団会見。第一印象は「なんて大きい選手なんだ!」。190cm以上ある私もアメリカで高身長の部類に入るが、彼の場合は筋肉もがっしりしていた。野球選手の会見ではなく、タイトエンド(TE/高身長選手が多いアメフトのポジション)の選手の間違いなんじゃないか、と思った。とにかく度肝を抜かれた。
エンゼルス入団は「正しい決断だった」
とはいえ当時は「Two-Way」(二刀流)に懐疑的な意見が多かったと記憶している。ライターやファンのほとんどが、最終的に投・打どちらかに絞ることになるだろうと予想していた。
そう考えると、エンゼルスを選んだことが、大谷の未来を大きく変えたといえる。大谷は二刀流の実現に強い意志があったし、エンゼルスも彼との約束を守った。仮にニューヨーク・ヤンキースはじめ超人気球団に入団していたら結果は変わっていたかもしれない。大金を払って獲得した選手に対して球団は何よりもケガを恐れる。2018年にトミー・ジョン手術を受けた段階で、投手か打者か選択を迫られたのではないか。つくづく、大谷は正しい決断をしたと思う。