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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「三笘薫ユニの若者が深夜の名古屋栄にワンサカいる…」人気者ぶりはブライトン1年目が偉大だから「ミトマ=強豪キラー」が分かる数字
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byEtsuo Hara/Getty Images
posted2023/06/17 17:00
エルサルバドル戦での三笘薫。ブライトン1年目のスタッツは目を見張るものだった
<2012-13シーズンの香川真司>
プレミア:20試合6得点4アシスト、出場1323分
FA杯:3試合、出場185分
CL:3試合2アシスト、出場193分
公式戦:26試合6得点6アシスト、出場1701分
<2015-16シーズンの岡崎慎司>
プレミア:36試合5得点2アシスト、出場2069分
FA杯:2試合1得点、出場88分
公式戦:38試合6得点2アシスト、出場2157分
今振り返っても「プレミア優勝チームの主力」だった香川と岡崎の偉業は何ら色あせることはない。ただスタッツを並べてみると、2人以上の個人成績を三笘が残したのもまた事実である。
さらに興味深いのは三笘の「先発フル出場」が多いこと。その数、19試合。コロナ禍によって交代5人制となり、特にアタッカーについてはフレッシュな選手を入れることが多くなった中で、90分間ピッチに置いておきたいとデゼルビ監督に思わせるほどのパフォーマンスだった証明だ。
“とにかくビッグ6に強い”三笘
今季の三笘の活躍ぶりを象徴するデータは、いわゆる「ビッグ6=マンチェスターC、アーセナル、マンチェスターU、リバプール、トッテナム、チェルシー」との対戦成績だ。ブライトンと三笘の成績を抽出してみると、以下のようになる。
<ビッグ6との対戦>※PK戦での敗戦は引き分け扱い
8月7日 vsマンチェスターU/●1-2 出場なし
10月1日 vsリバプール/△3-3 ▲26分
10月8日 vsトッテナム/●0-1 ▲23分
10月22日 vsマンチェスターC/●1-3 出場なし
10月29日 vsチェルシー/○4-1 ▽73分1アシスト
11月9日 vsアーセナル/○3-1 ▲45分1ゴール
12月31日 vsアーセナル/●2-4 ◎90分1ゴール
1月14日 vsリバプール/○3-0 ▽90分
1月29日 vsリバプール/○2-1 ◎90分1ゴール
4月8日 vsトッテナム/●1-2 ◎90分
4月15日 vsチェルシー/○2-1 ◎90分
4月23日 vsマンチェスターU/△0-0、PK6-7 ◎120分
5月4日 vsマンチェスターU/○1-0 ◎90分
5月14日 vsアーセナル/○3-0 ◎90分
24日 vsマンチェスターC/△1-1 ◎90分
ブライトン成績:15試合7勝3分5敗
三笘成績:13試合出場3ゴール1アシスト(フル出場8試合)
そもそも「CL優勝もしくは決勝進出経験のあるメガクラブ」とこれほど対戦し、同等以上の成績を残したブライトンの健闘ぶりが伝わってくる。そして強豪相手にも五分以上だった結果が、クラブ史上初となるEL出場を決める要因になった。
デゼルビ監督の下で三笘だけでなくソリー・マーチ、カイセド、マクアリスターにエンシソらが躍動するスタイルは、資本力が全てを決めがちな近年のサッカー界において痛快さにあふれたチームだった。その一方で、リバプール、アーセナル、チェルシー辺りのファンは“またミトマとブライトンにやられた……”と、複雑な思いを抱えたに違いない。
三笘にピントを合わせると、カタールW杯のドイツ戦にスペイン戦、さらに前述した天皇杯など、キャリアにおいてジャイアントキリングがターニングポイントになっている。その実績ぶりは“強豪キラー”と表現しても過言ではないと感じる。
今季の海外組で世間的に大きなインパクトを与えた三笘だが、いわゆる4大リーグ(イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア)でゴール数が上回ったのが、久保建英と鎌田大地(ともに9得点)だ。特に日本人選手がなかなか結果を残せなかった歴史のあるリーガにおいて、今季の久保の成績を調べてみるとエポックメイキングだと言っていいものだった。
<#2/久保編につづく>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。