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MLB強打者に聞くメッツ千賀滉大の“お化けフォーク”はなぜ打てない?「フォークはもちろん素晴らしい球だが…」「1年目のタナカと似てる」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2023/06/02 17:03
お化けグッズが発売されるなど、ニューヨークの注目度が高まっているメッツ千賀滉大
これまでに示してきた通り、千賀が持つ2つのベストピッチは好調時にはメジャーリーガーたちをも圧倒できるだけの威力がある。あとは千賀本人、バック・ショーウォルター監督、カステラノスらが口を揃える通り、最大の武器であるフォークを生かすために、何よりも真っ直ぐの勢いを保つことが重要になっていくのだろう。
そして、状況に応じて田中が誇示したような適応能力、大舞台での強さを披露できれば、千賀の行く手にもグロリアスロードが見えてくる。
「彼がやっていることを誇りに思うよ。これまでとは街、球場、チームメイトもすべて違うという試練を経験していることを忘れてはいけない。彼は物事を素早く身につけている。良い質問をするし、コミュニケーションの能力もある」
67歳になった百戦錬磨の老監督、ショーウォルターは千賀のメンタルタフネスをすでに高く買っている。だとすれば、背番号34の前途も有望なのだろう。
前述通り、アウェイでの投球内容はまだ懸念材料ではあるが、“ニューヨークで結果が出せるなら、どこでもやっていける”(New York City : If You Can Make it Here, You Can Make it Anywhere)という言葉もある。
5年7500万ドルという契約でアメリカに降り立った千賀は、まずはメジャーリーグで好スタートを切った。これから先、通称“ビッグアップル”を基盤に千賀がどんな物語を紡いでいくか。この先に何が待ち受けているか。今では多くのニューヨーカーたちも、その行方を楽しみにしていることは間違いないはずである。
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