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「ヤンキースでプレーしたら75本打つ」大谷翔平はなぜニューヨークでも大人気だった? 現地記者が実感した“オオタニ争奪戦”への期待値

posted2023/04/27 17:02

 
「ヤンキースでプレーしたら75本打つ」大谷翔平はなぜニューヨークでも大人気だった? 現地記者が実感した“オオタニ争奪戦”への期待値<Number Web> photograph by Getty Images

ニューヨークでも大きな注目を浴びていた大谷翔平

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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 “大谷翔平は真の意味でニューヨークでも呼び物になった”と感じさせられたシリーズだった。

 昨季MVPのアーロン・ジャッジを筆頭に、ヤンキースには多くのスター選手が属しているのはご存知の通り。それでも4月18〜20日、ヤンキースタジアムで行われたヤンキース対エンゼルスの3連戦中、他の誰より、No.1の注目選手であり続けたのは大谷だったのである。

「アウェイチームのスーパースターにこれほどの注目が注がれたのはいつ以来かな」

 ヤンキースのある関係者はそう呟いたが、2000年代前半からこのチームを取材してきた筆者もほとんど同じ感想を抱かされた。

 シリーズ開始当日、地元紙ニューズデイの一面に大谷の記事が載り、この3試合が“Sho-Case(ショウケース=Showcaseとかけた造語)になる”との見出しが躍った。スタジアムのグッズショップには大谷のユニフォームが売り出され、ジャッジとコラボのシャツも2年連続で販売された。シリーズ中、スタジアムにはプレーオフと同等と思えるほどの数のメディアが集結し、18日の試合後、大谷がエンゼルスの会見に登場するという一報が届くとヤンキース側の会見場は瞬く間に空っぽになった。

“お手並み拝見”の空気感だったが…

 大谷が全国区への階段を登り始めた2021年以降も、ヤンキースタジアムはこのようではなかった。宝石箱をひっくり返したようなニューヨークの街に、ジャンルを問わず鳴り物入りのライジングスターは幾らでも現れる。これまで大谷に関してももちろん好奇の視線こそあったものの、“お手並み拝見”くらいの空気感だったように思える。

 ところが、2023年春は雰囲気が違った。4月14〜17日までボストンで開催されたレッドソックスとのシリーズ中のボストニアンの歓待もかなりすごいものがあったが、ニューヨーカーも間違いなく大谷を歓迎していた。

 大谷の方にもニューヨークへの意識はあったのかもしれない。まずは18日の試合前、今シーズン中では初めてだったという屋外でのフリー打撃でその“ラブコール”に応えてみせた。

【次ページ】 米記者「あれほど打球を飛ばせる選手はいない」

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