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CLマドリーvsマンCでカメラマンが見た“世界の超一流”ビニシウスとデブライネ超絶弾、モドリッチの頭脳、グリーリッシュの筋肉美…
posted2023/05/15 17:02
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
欧州サッカーが最終盤を迎えている。各国リーグの優勝争い、そしてそれ以上に降格を避けるために熾烈を極める残留争い。またUEFA主催の欧州カップ戦も佳境に入った。
欧州クラブNo.1を決めるチャンピオンズリーグでは、準決勝1stレグが行われた。
昨季CL覇者レアル・マドリー対マンチェスター・シティ戦、そしてCLでは18季ぶりのミラノダービーとなるACミラン対インテル・デ・ミラノ戦の2試合だ。
1年前の“劇的過ぎた決着”に続く再戦で
5月9日、マドリー対シティ戦の取材パスを受け取るため、サンティアゴ・ベルナベウ スタジアム脇にあるコンチャ・エスピナ通りを歩いていた。
キックオフより2時間ほど前、すでに多くの人が詰めかけている。取材機材を持っての移動には、やや難がある。ただちょうど1年前にこの道を通った際の、困難極まるほどの熱狂はまだそこにはなかった。
昨日のことのようにはっきりと思い出す、マドリーの逆転劇。
そう、21-22シーズンCL準決勝でも、同一カードが組まれていた。違ったのは、それが2ndレグだったことか。
ベスト16、準々決勝と奇跡的な勝ち抜けをしたマドリーが、準決勝1stレグを落として迎えた2ndレグだった。3度目の奇跡を信じ、スタジアムのキャパを超えたサポーターが、通りを埋め尽くしていた。
この日はまだ準決勝とはいえ、チェルシーを難なく倒して迎えた1stレグ、集まったサポーターからは、この日の天気と同じく、からっとした楽観的な雰囲気だけが伝わってきていた。
ピッチサイド、撮影ポジションに着く。昨年と同じポジションを確保した。目の前で、シティ選手の華麗なボール回しが繰り広げられるのも昨年と同じだ。大きく違うのは、まだ半ばだった改修工事もあらかた終わり、開閉式の屋根が頭上に見えること、そして、目の前の一団の中に、超大型FWハーランドの姿があることだった。
怪物ハーランドが醸す“大物感”とシティの攻撃
6万3000人超のファンが見つめる中、CLアンセムと共に両チームイレブンが入場してくる。ベンチ前では、マドリー監督アンチェロッティが、やや遅れて姿を現したグアルディオラへ歩み寄り、両者和かに健闘を誓い合う。チーム写真に収まる彼らの表情に緊張はない、不敵に笑みを浮かべる者、目の前の勝負にだけ集中する者、そのほとんどが、昨季もこの舞台に立つ常連だ。
そして一際大きさが目立つ選手がハーランドだが、写真を確認すると、やや爪先立ち、さらに大きく見せつけようとしている。