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CLマドリーvsマンCでカメラマンが見た“世界の超一流”ビニシウスとデブライネ超絶弾、モドリッチの頭脳、グリーリッシュの筋肉美… 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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posted2023/05/15 17:02

CLマドリーvsマンCでカメラマンが見た“世界の超一流”ビニシウスとデブライネ超絶弾、モドリッチの頭脳、グリーリッシュの筋肉美…<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

モドリッチとデブライネが丁々発止のやり合い。CLマドリーvsシティは、ワールドクラスが輝き合った

 現地時間21時キックオフ。ホームチームが果敢に打って出たように思えた。

 左ウイングのビニシウス・ジュニオールがドリブル突破を図るが、相対するウォーカーが死守する。そしてシティの両サイドバックが高い位置を取り始めると、マドリーの両翼ビニシウス、ロドリゴもポジションを後退せざるを得なくなる。

 すると、徐々にシティがポゼッションを高め、ゲームを支配、デブライネ、ロドリがそれぞれ強烈なミドルシュートを放ってきた。

 CBに入るストーンズが、攻撃時にはボランチの位置に上がり、中盤を厚くする。マドリーの中盤、モドリッチ、クロースも守備に追われる時間が増えていった。ゲーム中断時、グアルディオラが最初に指示を与えたのはストーンズだった。そしてアンチェロッティは、クロースを呼んでいた。

 ただそんなシティの圧の中でも、最後の局面ではアラバ、ルティガーの両CBがハーランドを抑え込み、ボックス内でのシュートは許さなかった。

ビニシウスのゴールに感じる“サッカーあるある”

 またこの試合のキーとなったのが、ベルナルド・シウバ対カマビンガのマッチアップだった。右サイドに大きく開き、シティの攻撃に最後のアクセントをつける、シウバをカマビンガが自由にさせず、一対一の局面では制圧した。そして逆サイドでは、カルバハルとグリーリッシュが激しく闘い合っていた。

 一見、圧倒的にシティが支配していたゲームのようだが、試合後モドリッチが「このような展開になるのは分かっていた。ボールは持たれていたが、彼らはそこまでチャンスを作れておらず、自分達のチャンスを忍耐強く待っていた」と語ったように――マドリーはハーランドへのパスコースを塞ぎ、局面局面では個々の能力にも頼り、シティの攻撃を凌いだ。

 36分、カマビンガがモドリッチとのパス交換でシウバをかわしてボールを持ち上がり、ビニシウスにパス。ボールをコントロールしたビニシウスは、2タッチ目でボックス外、ゴール正面から強烈に右足を振り抜くと、ボールはGKエデルソンの手を掠めてゴールに突き刺さった。シティ有利の中でマドリーが放った最初のシュートが先制点となった。

 サッカーでは、何が起こるか分からない。チャンスに得点しないと、奪われてしまう。

 常に語られる“サッカーあるある”だが、まさにその通り、得点となれば尚のこと、このゴールで全てが一変した。

モドリッチ、クロースが見せた“攻撃のリズムの作り方”

 あれだけ抑え込まれていたマドリーが中盤を支配し、ポゼッションを高めていく。スタジアムの雰囲気も一気に盛り上がり、選手を後押しする。

【次ページ】 マドリー優勢に見えたがデブライネが…

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