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大谷翔平も“お気に入り”、牧秀悟24歳はなぜWBCでも“とにかく明るい”のか?「“プーさん”が認めたメンタル」「デスターシャのきっかけは…」
posted2023/03/16 11:04
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Naoya Sanuki
なめらかな口調と愛嬌のある名調子。
WBC1次ラウンド第4戦のオーストラリア戦前、ベンチ前で組まれた円陣の中心には横浜DeNAベイスターズの牧秀悟がいた。
こんな最高のメンバーでやるの、あと4試合しかないです
開口一番、「おつかれさまです!」と元気に挨拶すると、牧は声出しを始めた。
「昨日はナイスゲームでした。しかし、やっぱり今日勝たな、意味ないです。いい感じで勝ってきて、今日勝って次に繋げていきましょう。そのためにまず今日スタートの人たち、存分に暴れてきてください」
動きを交えユーモアを漂わすその様子に大谷翔平らが笑みを浮かべている。すると牧は自分のことを指さしつづけた。
「後から行く人たち、もう準備できています。いつでも大丈夫です。なので、今日全員で勝って、見てください隣、こんな最高のメンバーでやるの、あと4試合しかないです。今日も絶対勝ちましょう。行きますよ、さぁ~行こーうっ!」
その声に盛り上がる侍ジャパンの選手たち。牧らしいな、と思わずにはいられない。笑いを誘い、やる気をうながす明るい声出しはDeNAでお馴染みの光景だ。もしヘタをこいてはずしてしまうと先輩たちから「すべったな」と言われてしまうので、プロ3年目であるものの、このあたりはなかなかの手練れである。
実は村上宗隆に継いで野手の中で2番目に若い
侍ジャパンの野手では23歳の村上宗隆に次ぐ24歳という若さ。ベンチやバックヤードの様子を見ているとヌートバーと談笑し、ベンチ後ろにいた大谷から後頭部を撫でられるイタズラを受ける姿もあり、DeNA同様に先輩たちと良好なコミュニケーションが取れているようだ。ある種、ムードメーカー的な役割を担っているのだろう。