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“吹田の主婦”がトレンド入り…山崎颯一郎(24歳)ってどんな人? WBC決戦前に知りたい"推せる4つの理由"〈オリックス記者が見た〉
posted2023/03/16 11:06
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Nanae Suzuki
山本由伸、宇田川優希、宮城大弥に続き、オリックスから4人目の投手がWBC日本代表に加わった。栗林良吏(広島)の代替選手として追加招集されたプロ7年目の24歳、山崎颯一郎である。
セットアッパーとして、昨シーズン終盤の優勝争いや日本シリーズでは、190cmの長身から投げ下ろす最速160キロのストレートを武器に打者をねじ伏せ、オリックスの日本一に大きく貢献した。その活躍を見れば今回の招集に驚きはないが、改めて、山崎颯一郎とはどんな投手なのか、振り返ってみたい。
山本由伸と同期、“未完の大器”が覚醒
昨年までオリックスに在籍した吉田正尚(レッドソックス)と同じ敦賀気比高校の出身で、高校時代は3度甲子園に出場し、2016年秋にドラフト6位で指名された。WBCオーストラリア戦で完璧な投球を見せた同学年のエース・山本は同年のドラフト4位だった。
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山本は入団時から完成度が高く、1年目から一軍登板し初勝利を挙げたのに対し、未完の大器だった山崎は長期計画で育成が進められた。1年目はスタミナを強化し、2年目は良くても悪くても1年間ファームで先発ローテーションを守った。3年目にはファームで防御率トップを争い、4年目に一軍に定着、という計画を描いていたが、3年目の2019年に右肘を痛めてトミー・ジョン手術を行い、育成契約となった。
それでも、懸命のリハビリと、投げられない期間に徹底的に体作りを行ったことで、スケールアップして支配下に戻った。2021年の夏以降は一軍でも先発し、9月29日に初勝利。その年の日本シリーズ第4戦でも先発登板し、5回1失点と好投。昨年は先発ローテーションの一角として期待された。
だが昨年は開幕から思うように結果が出ず、中嶋聡監督はリリーフ転向を試みた。
「どうも4、5回あたりでもたついていた。イニングを長く投げなきゃいけないということで、自分のパフォーマンスを出せないというか、思い切ったことができていなかった。だったら短いイニングを思い切って行かせたほうが、颯一郎に関してはよくなるんじゃないかなというのがありました」