「体も強いし技術があるのも間違いないんですけど、それ以上にメンタルが強いんですよ。相手投手を上回るメンタルというか、ネクスト（サークル）で見ていると、すごいそれを感じるんですよね。あっ、これ打つなと思ったときは、だいたい打ってますからね」

　24歳の牧と宮﨑は10も歳が離れているが、同じ右打者として、よく意見を交換する間柄だ。昨年後半、当たりが止まってしまった宮﨑は、牧からヒントを得てバッティングを取り戻し、通算1000安打を達成している。稀代のバットマンである宮﨑は言う。

「本当に牧はいいものを持っているんですよ。だから技術もメンタルのことも聞くんです。それを自分のモノにできるわけですから、ありがたいですよね」

大谷も小さく披露した、デスターシャ！

　牧の影響力は、世代を超越するエネルギーに満ちている。

　そして1次ラウンドで大きな話題になったのが、牧のホームラン後の『デスターシャ！』のパフォーマンスだろう。ダイヤモンドを一周してベンチに戻ったとき、クイっと右拳を胸元に引き上げ、カメラ目線で『デスターシャ！』でキメる。山川穂高や近藤健介、牧原大成、佐々木朗希らも一緒になってパフォーマンスする姿に侍ジャパンの盛り上がりを感じさせられた。またオーストラリア戦では大谷が本塁打を放った後、ハイタッチの際に牧の前で小さく『デスターシャ！』を披露し、大いにファンを楽しませてくれた。

デスターシャ！　©Naoya Sanuki

デスターシャ！を牧がやりだしたきっかけは？

　ハマスタではすっかりお馴染みのこのパフォーマンスの発案者は、DeNAのキャプテンであり昨季最多安打のタイトルを獲った佐野恵太だ。元々はウクライナ人ゲームYouTuberのサワヤン兄弟が動画冒頭の挨拶で使っている呼びかけの言葉で、このチャンネルのファンである佐野が流用したものである。佐野は笑顔と困惑が混ざったような表情で言う。

「最初は後輩の知野（直人）と、ちょっと何か新しいことやってみようぜって感じだったんですけど、どんどん大きくなって、そのうち牧とかもやりだして。いや、すごいことになったなって」

　牧も次のように語る。

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