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大谷翔平も“お気に入り”、牧秀悟24歳はなぜWBCでも“とにかく明るい”のか?「“プーさん”が認めたメンタル」「デスターシャのきっかけは…」 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byNaoya Sanuki

posted2023/03/16 11:04

大谷翔平も“お気に入り”、牧秀悟24歳はなぜWBCでも“とにかく明るい”のか?「“プーさん”が認めたメンタル」「デスターシャのきっかけは…」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

大谷翔平がちょっかいを出すなど“お気に入り”になっている牧秀悟の存在。DeNAベイスターズの4番でもある牧とはどんな選手なのか

「けど、まわりに人がいるときはそれを出さずに、部屋やホテルに帰ってから『うわぁ~!』みたいな感じです」

 そう言うと牧は照れたように笑った。

 ただ昨季、牧が人目を憚らず感情をむき出しにするシーンがあった。クライマックスシリーズで阪神に敗れ、シーズンを終えたハマスタのバックヤード、牧は体の内から溢れ出るものを抑えることができず慟哭し、悔しさに暮れつづけていた。勝負に対する誰よりも熱い情念が発露した瞬間だった。

 プロ1年目は新人選手としては史上初となるサイクル安打を放つなど、レギュラーとして打率.314という成績を残し新人特別賞を受賞した。2年目の昨季はジンクスなど関係なく、開幕からチームの4番を任され勝負強い打撃でリーグ2位となる87打点を挙げ、不動の地位を築くに至っている。ただシーズンを通して初めて4番を務めた昨季について「考えていた以上に大変でした」と、牧は正直に語っている。

極端ともいえる重圧があった“4番”

「例えば終盤で打てば勝てる、打てなかったら負ける……そんな極端ともいえる重圧がありました……」

 極度のプレッシャーのなかで1年間を過ごして得た経験は、まちがいなく侍ジャパンでも活かされている。牧はここまでの4戦で打順は下位ながら2試合にスタメン出場し、代打も含め打率.300、チーム最多の2本塁打を放っている。中国戦で打ったチーム1号となる右方向への見事なホームランは、まさに牧という選手を表現する真骨頂の一打だった。

 そしてチェコ戦では8回裏、これ以上なく衆目が集まるヒーローの大谷の代打として打席に立った牧は、プレッシャーに負けず今度はレフトスタンドへ大きな放物線を描くホームランを放ち、つめかけた観衆から大歓声を浴びた。本人は「皆さん大谷さんに期待していたと思うんですが、結果がついてきて良かった」と、安堵の表情を見せていたが、この辺りの勝負強さ、物おじしない精神力は侍ジャパンにとっても大きな武器になるはずだ。

首位打者“プーさん”が証言する牧のスゴさ

 牧の打席には不思議な雰囲気がある。かつて首位打者を獲得し、DeNAで牧の後ろの5番を打つ宮﨑敏郎は、次のように証言する。

【次ページ】 大谷も小さく披露した、デスターシャ!

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