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「こんな弱いチームはなかったね」巨人・原辰徳監督が明かす”史上最弱”からの奪回計画…「坂本勇人は衰えたか」の問いに何と答えた?

posted2023/02/13 17:27

 
「こんな弱いチームはなかったね」巨人・原辰徳監督が明かす”史上最弱”からの奪回計画…「坂本勇人は衰えたか」の問いに何と答えた?<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

「奪回」をスローガンに掲げ3年ぶりの優勝を目指す巨人・原辰徳監督を独占直撃。NumberWebに今季にかける思いを明かした

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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SANKEI SHIMBUN

 2年連続で優勝を逃し、昨年はついに5年ぶりのBクラスとなる4位まで沈んだ巨人。昨オフはドラフト会議で阪神との競合の末に高松商・浅野翔吾外野手を獲得、また2位では東京六大学の三冠王、慶大・萩尾匡也外野手らが入団したが、FA戦線ではなりを潜めて、主力クラスの補強はゼロ。ソフトバンクから松田宣浩内野手を獲得し、広島から長野久義外野手が復帰とベテランの加入と外国人選手の入れ替えでチームを再編して新シーズンに臨む。
 今季スローガンに「奪回」の2文字を掲げた原辰徳監督を直撃。今シーズンの新戦力とカギを握る選手、そして自らの進退と後継問題まで2回にわたりお届けする。
<NumberWebインタビュー全2回の前編/後編へ>

主軸の菅野、坂本が力を発揮できなかった

――今年のチームスローガンは「奪回」です。4年連続で優勝から遠ざかっていた2007年にも同じ「奪回」を掲げて、そこから3連覇を果たしました。

「ジャイアンツの場合は、優勝する周期が2年、3年……4年、5年なんて空くと、すごく長く勝っていないなという状況になってしまう。それはジャイアンツの先輩たちが作り上げてきた伝統なんです。そういう意味では2年連続で優勝から遠ざかっている今年は、チームにとって非常に重要なシーズンになるでしょうね」

――去年のチーム、去年の成績をどう分析していますか?

「こんな弱いチームはなかったね! ここというときにことごとく勝てなかった。3月、4月とあれだけいいスタートを切りながら5月、6月からは防戦一方。それで7月、8月にこのゲームをとらなきゃならない、という局面が何度かあったんです。でもそこでとりにいった、絶対に勝たなければならない勝負どころのゲームをことごとく落としました。しかも惜敗でね。これはやっぱり私が選手、コーチ、監督として30年以上、見てきたジャイアンツの歴史の中でもなかったことです。自分が関わった中では一番弱いチームだったと思いますね」

――勝負どころで勝ち切るのが巨人である、と。原因はどのあたりにあったと思いますか?

「そうですね……まず主軸、主力……投手では(菅野)智之と打者では(坂本)勇人が力を発揮できなかった。若い選手もきっかけをつかむことはあったけれど、荒波の中に入ったときにはまだまだ稚魚だった。水槽の中で育てて、さあ戦いなさいと言ったときに1回目、2回目くらいは戦える。でもそこから本格的に荒波に乗り出していったときに、戦えたのは大勢くらいだったですからね。ただ、若い選手にとってきっかけになる、いい経験をできたというのはすごく大きなことだったと思います」

――それが昨シーズン、敗れた中での収穫の1つ、だと。

「(今年に)つながると思います、そこはね」

――一方で2年間の敗北を踏み台に2023年の巨人はどうなりますか?

【次ページ】 坂本勇人は衰えたのか?

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