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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「こんな弱いチームはなかったね」巨人・原辰徳監督が明かす”史上最弱”からの奪回計画…「坂本勇人は衰えたか」の問いに何と答えた?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2023/02/13 17:27
「奪回」をスローガンに掲げ3年ぶりの優勝を目指す巨人・原辰徳監督を独占直撃。NumberWebに今季にかける思いを明かした
「少しチームを変えることが重要だと思います。という中でキャプテン、副キャプテン、投手キャプテンを代えたということですね」
――キャプテンは坂本選手から岡本和真選手に。サポートする副キャプテンには吉川尚輝内野手が就任して、投手キャプテンは菅野投手から戸郷翔征投手とチームリーダーは若返りました。
「もちろん和真や戸郷には、自覚してチームを引っ張っていってもらおうというのもある。ただ同時に、いままでの主力2人……勇人と智之ですね、彼らにまあ少し自分のことだけやってもらおうじゃないかということもあります。もちろん2人は主力には変わりない。その中であの2人が本当に主力らしく戦ってくれるのか。この2、3年というのは決して主力としての戦い、結果というのは残してくれていないと僕は思っています。だからリーダーとしての役割を外して、少し自分のことに集中してもらった上で、それができるのかどうかですね」
坂本勇人は衰えたのか?
――ある意味2人への最後通牒?
「できないのならば、代えていかなければならない。チームというのはそういうものだし、勇人だって誰だって、みんなそうやってレギュラーを奪い取って、それができた人が主力になってきた。だからその時期が来るなら、私の中で来たと思うならば、それは非常に重要な1年になると思います」
――坂本は衰えたと思いますか?
「そうは思いません。年齢的に31、32、33……それくらいに変化はきますよ。僕もそうだった。みんなきます。僕はたとえば速い球の見え方であったり、何てことないフライや速い打球に対して、いままでは簡単に捕れて、打てていたのが『ア、アッッ!』『エーッ!』という感じになるんです。これは誰しもがあると思う。ただ体が老け込んでいるわけではないんですよ。そこからもう1度、締め直すということです。それができると、まだ4年とか5年とか一線でできるようになる」
――勤続疲労で少し緩んだネジを締め直す時期ということですね。
「そう思います。だってあれだけ弾き返していた打球が影を潜めて、あれだけ強かった身体もケガがちになってしまっている。それはそう見ざるを得ないでしょう。智之にしても然り。あれだけ強い真っ直ぐが投げられていたのに、変化球にしか頼れないピッチャーになってしまっている。器用さというのは生きているからね。でも、やっぱり器用さで勝負しようというアスリートは、それはトップの座は走れませんよ。器用さというのは似せることはできる、真似できる。しかしパワーというのは次元が違うところでやるものだから。それを持たないでトップの座を維持しよう、トップを行こうとすれば、それはなかなかうまくいかないよね」
――2人にとってはそれを取り戻すためのキャンプになる。
「そう。それで彼らはやっています。必死にやっている。ただしここは冷静に僕らも見ないとね。努力、あるいはやっていること、道のりは確かに知る必要はあるけれど、やっぱり結果を見て我々は判断しなければならない。実力至上主義という中でレギュラー、スターティングメンバーを決めていくことが重要だと思いますね」
――厳しいですね……昨シーズンの岡本についてはどう見ていますか?