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プロ野球PRESSBACK NUMBER
大谷、ダルビッシュら最強投手陣の女房役・中村悠平が明かす「国際球」のリアルと秘策「率直な意見を聞かせてくれ…」栗山監督との本音トークも
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHaruka Sato
posted2023/02/15 11:01
WBC侍ジャパンに選出されているヤクルト・中村悠平捕手が「史上最強」の投手陣をリードする秘策を明かした
プレミア12の当時、日本代表の正捕手として数々の修羅場を戦っていた嶋基宏は、2020年からヤクルトのチームメートに。現役引退した今季からは、1軍バッテリーコーチ(兼作戦補佐)として直々に教えを受ける。国際大会に向けての心得についても、折に触れてアドバイスを授かっているという。
「国際球への対処や、アプローチの仕方、リードする上で何が大切なことなのかなど、去年の段階から自分が気づいたことはある程度聞いていました。そうやって経験を語ってくれる人がいるということは本当に心強いですよね」
キャッチャー目線の国際球対策って?
滑りやすいと言われる国際球への対応は、大会のたびに日本代表の課題としてあげられてきたことだ。オフから実際の大会使用球を使って練習してきた感触はどうなのか。
「ツルツルして縫い目がない感じがします。NPBのボールって、しっかりと縫い目があるのでちゃんと指にかかっていなくてもある程度投げられるようなところがあるんです。でも国際球は鷲掴みで投げたら、本当に回転数が少なくなって手前で失速したり、そのままフワーっと抜けていってしまう。これは投手だけでなく、野手も送球に注意が必要だと思います。キャッチャーは二塁へのスローイングが一番大事なんですが、ちょっとテンポをおいて、しっかり自分のリズムで投げないと危ない。感覚の問題ですが、タイムは少し遅れてもより慎重にプレーしていきたいです」
今キャンプ中は、代表に選出された左腕の高橋奎二との投球練習で、ピッチングへの影響も体感した。
「回転数が安定しないというか抜け気味になる。それを修正しようとして引っ掛けてしまったり……そういうところを見ると奎二もしっくりきていないな、と感じます。空気抵抗の変化などもあるし、ボール一つでこんなに違うのかと思いますが、しっかり対応していかないといけない」
試行錯誤するピッチャーに対して、リード面での秘策も考えているという。
「自分の中では考えています。色々な球種を使ってみようかな、というのもあるし、サイン以外でも構え方の工夫なんかも必要だと思う。ストライクゾーンのぎりぎりに構えていてボールになるようだったらある程度真ん中に構えたり、逆に抜けているようならボールゾーンに寄ったりすれば、操れるかもしれない。自分ができる限りのことはやってあげたいなと思います」