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大谷、ダルビッシュら最強投手陣の女房役・中村悠平が明かす「国際球」のリアルと秘策「率直な意見を聞かせてくれ…」栗山監督との本音トークも
posted2023/02/15 11:01
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Haruka Sato
出陣するWBCを「僕にとって初めての国際大会」と表現する。実際には2015年の第1回「プレミア12」や、16年の強化試合(台湾戦)での出場経験があるにも関わらず、だ。中村にとって今回の大会に挑む覚悟は、それほど大きなものだという。
「率直に言って、2015年の当時はジャパンに入ることができてただ嬉しくて、フワフワしていた感じでした。プレミア12では全て途中出場でしたし、国際大会はほぼ未経験と言ってもいい。だから今回は、いつもとは全く違う雰囲気の中で戦うという意味で、色々なプレッシャーだったり、楽しみだったり色々な感情があります」
3位となった15年の「プレミア12」では、国際大会の怖さを十分に味わっている。グループリーグでは、ライバルの韓国やアメリカに快勝した一方で、メキシコやベネズエラなど中南米のチーム相手に苦戦。決勝トーナメントに進み準決勝で再び相対した韓国には、先発の大谷翔平が7回零封と好投したにも関わらず9回に4点を奪われて大逆転負けの悔しさを味わった。
「国際大会の怖さ、一発勝負のプレッシャーというのは(ベンチで)見ていた僕にも伝わっていた。実際にプレーしたらその緊張感はもっと高まると思います。一番大事なことは、国際大会ではどんなチームに対しても、初戦から全ての試合で100%の力を出さないといけないということです。周囲が言う“格上”とか“格下”なんて絶対に意識してはダメ。今回で言えば3月9日の中国戦から100%、120%で臨まないといけない。そのためにもキャンプ、強化試合から突き詰めていきたいと思っています」
そのプレミア12のチームメートが多数出場した前回のWBC(2017年)は代表漏れ。前年の2016年シーズンはヤクルトも5位に低迷し、中村自身も打撃不振に苦しんでいたこともあり不甲斐ない思いだったという。
「率直に悔しかったです。当時の自分はチームでもレギュラーとは言えない状況でしたし、仕方のないこと。単純に自分の実力がないんだな、と受け止めていました。でも、ここ2年くらいのチームの日本一、連覇を経て、確実に自分の中でも手応えを感じている。そういった意味では、自信を持ってジャパンの一員として戦っていけると思っています」