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日本代表は「カタールW杯が史上最強」「予選で苦しむが“W杯だとアジア最強”。欧州・南米と比べて…」データで浮かぶ“世界での現在地”
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2023/01/14 11:00
ドイツ、スペインを撃破するなどカタールW杯で奮闘を見せた日本代表。ここから次のステップに進むために必要なものを考えた
過去7大会で日本は7勝しているが、このうち優勝経験があるのはドイツとスペインだけ。またW杯の歴史上、GSで優勝経験がある国を2つも倒したのは、2014年のコスタリカ(ウルグアイに3-1、イタリアに1-0)とカタール大会の日本しかない。
カタール大会における成績と試合内容は、18年はもちろん、02年、10年よりも上。代表史上最強と考えていいだろう。
W杯の舞台に立つと日本は“アジア最強”に変身する
それでは、日本のアジア、そして世界における現在位置はどこなのか。
カタール大会で、日本は初めて2大会連続でベスト16に食い込んだ。参加国が32なので、ベスト16は“平均点以上”。これまでアジアの国で、2大会連続して“平均点”をクリアした国はなかった。1998年大会以降のアジア各国の成績は以下の通り。
<アジア・オセアニア代表のGS突破率と最終順位>
日本57%:98年31位、☆02年9位、06年28位、☆10年9位、14年29位、☆18年15位、☆22年9位
韓国43%:98年30位、☆02年4位、06年17位、☆10年15位、14年27位、18年19位、☆22年16位
オーストラリア29%:☆06年16位、10年21位、14年30位、18年30位、☆22位11位
イラン0%:98年20位、06年25位、14年28位、18年18位、22年26位
サウジアラビア0%:98年28位、02年32位、06年28位、18年26位、22年25位
中国0%:02年31位
北朝鮮0%:10年32位
ニュージーランド0%:10年22位
カタール0%:22年32位
注:☆が16強以上。過去7大会で、アジア勢は33回出場して、ベスト16入りが9回(日本が4回、韓国が3回、オーストラリアが2回)。GS突破率は27%。
これまで、日本はアジア予選で圧倒的な強さを発揮してきたわけではない。自国開催で予選を免除された2002年を除く6大会の最終予選では、グループ1位と2位が3回ずつだった。
カタール大会アジア最終予選は、最初の3試合が1勝2敗という背筋が凍るような滑り出し。その後は苦しみながらも6つの白星を重ね、サウジアラビアに次ぐグループ2位で辛うじてW杯出場権を獲得した。
ところが、W杯の舞台に立つと、日本は“アジア最強”に変身する。1998年以降の7大会で、アジア勢最多の4大会でGSを勝ち上がった。GS突破率がアジア全体(27%)の2倍以上で、唯一、50%を超える。つまり、アジアでは日本が「最も世界に通用するフットボール」を実践している。
世界の中で日本代表はどのような位置にいるのか
それでは、世界の中ではいかなる位置にいるのか――。それをいくつかの指標から探ってみよう。