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《独占インタビュー》三笘薫26歳が明かす”トレーニングの中身”がスゴかった! 24時間サッカー漬け「データマニアと言われたら、そうかも…」
posted2023/06/24 17:05
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
Tenten
現在発売中のNumber1075号掲載の[ロングインタビュー]三笘薫「僕はもっと進化できる」より内容を一部抜粋してお届けします。【記事全文は「NumberPREMIER」にてお読みいただけます】
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自分の感覚を信じる――。日々のトレーニングで自身を研ぎ澄ますアスリートにとって、それは疑いようのない常識だろう。
だが、三笘薫は違う。磨き上げた自分の感覚すらも疑ってかかっている。
「もちろん僕も自分の感覚を大事にしていますし、最終的には信じます。でも、それが合っていないのに信じていたらバカじゃないですか。自分がいい動きをしたとしても、他の人にはそう見えないときもある。自分では速いと思ったけど、本当は速くないときもある。だから僕はあらゆる手段を使って自分の主観が正しいかを確かめたいんです」
実力でも人気でも日本サッカー界の顔に
三笘にとって2022-'23シーズンは、新たな扉を開く1年になった。
初出場となったカタールW杯ではジョーカーとしてドイツ戦で同点弾の起点になり、スペイン戦ではゴールラインを割るぎりぎりでクロスをあげる「三笘の1ミリ」で逆転弾をアシスト。日本のベスト16進出に大きく貢献した。
一方、所属チームでは、レンタル先のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズからブライトンに戻ってプレミアリーグデビューを飾ると、9月に新監督に就任したロベルト・デゼルビのもとでレギュラーに定着。シーズンを通じて7得点を決め、プレミアリーグにおける日本人シーズン最多得点記録を更新した。実力と人気両面で、間違いなく日本サッカー界の顔になりつつある。
なぜ三笘は世界最高峰のプレミアリーグで、1年目から活躍し続けられたのか? その理由のひとつが「主観と客観」の両立だ。
「ブライトンでは週に1回、試合の出場時間が長い選手は疲労度などを測るために採血をするんです。でも、その結果は選手には共有されないんですね。ただ、僕は疲労度を正確に知りたいんで、自分から数値を聞きに行っています。今感じている疲れが、脳の疲れなのか、体の疲れなのか。それをはっきりさせたい。主観と客観を照らし合わせて、個人トレーニングの内容を変えています」
エキスパート集団「チーム三笘」とは?
近年、ヨーロッパでは定期的に血液検査をするクラブが増えている。筋肉を損傷すると血液中のクレアチンキナーゼの値が高くなり、それを見れば疲労度がわかるからだ。
通常はスタッフのみが把握して各自の練習強度をコントロールするが、三笘は受け身ではすまさないタイプだ。