箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
今年の箱根駅伝、“最強ランナー”は誰? トップ30「番付表」を考えてみた 「三浦龍司は前頭筆頭」「横綱は田澤廉と…」<有力選手の区間予想も>
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph byNanae Suzuki
posted2023/01/01 11:03
最後の箱根を迎える駒大4年の田澤。駒大は出雲、全日本で優勝し、すでに2冠。箱根での駅伝3冠を目指す
最強ランナーの横綱は田澤と…
横綱は田澤(駒大4)とイェゴン・ヴィンセント(東京国際大4)。ともに「最強」という称号がふさわしいランナーだ。田澤は昨季、5月の日本選手権10000mで2位に食い込むと、12月の日体大長距離競技会10000mで日本人学生最高&日本歴代2位の27分23秒44をマーク。昨年夏にはオレゴン世界選手権10000mに出場した。全日本大学駅伝は4年連続の区間賞で、前回の箱根駅伝は2区を歴代4位の1時間6分13秒で走破して区間賞に輝いている。今回も2区で登録されており、ヴィンセントが持つ区間記録(1時間5分49秒)と駅伝3冠に挑むことになる。
一方のヴィンセントは箱根駅伝の2区と3区の区間記録を保持する。1年時にマークした3区の59分25秒は歴代2位を1分30秒も引き離す異次元のタイムだ。今季は出雲駅伝を直前のふくらはぎ痛で欠場。全日本大学駅伝も出場を回避した。それでも最後の箱根には合わせてくるだろう。区間エントリーは補欠登録されているが、大志田秀次監督は3区か4区に起用したい考えを持っている。4区に入れば、3つめとなる区間記録が誕生する可能性は高い。両横綱の激突が見られそうにないのは残念だが、両者には“大記録”を期待したい。
注目すべきランナーは30人以外にも…
上記の30人以外にも前田義弘(東洋大)、西澤侑真(順大)、若林陽大(中大)、内田隼太(法大)、富田峻平(明大)というキャリア十分な4年生。中野翔太(中大)、児玉真輝(明大)、山本唯翔(城西大)らエース格に成長した3年生も入れたかった。それに高校時代から大活躍を見せてきた石田洸介(東洋大)、伊藤大志(早大)ら2年生、全日本大学駅伝で区間賞に輝いた山川拓馬(駒大)、青木瑠郁(國學院大)ら楽しみなルーキーもいる。
区間のバリエーションが豊富な箱根駅伝はどこにヒーローがいるかわからない。優勝争いだけでなく、個々の対決にも注目したい。