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今年の箱根駅伝、“最強ランナー”は誰? トップ30「番付表」を考えてみた 「三浦龍司は前頭筆頭」「横綱は田澤廉と…」<有力選手の区間予想も>
posted2023/01/01 11:03
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph by
Nanae Suzuki
駅伝は持ちタイムだけで強さを推し量れないところに面白さがある。特に箱根駅伝は区間のバリエーションが豊富で、新たなヒーローも続々と登場している。では今大会を走るランナーの中で誰が一番強いのか。
今大会には花の2区を制した絶対エースがいれば、区間記録を大幅に塗り替えた猛者、そして東京五輪でその名を上げたランナーもいる。
有力学生選手が一斉スタートする大会がないからこそ“順位”をつけるのは非常に難しい。そこで箱根駅伝ランナーの「強さ」を今季の出雲駅伝(2022年10月)、全日本大学駅伝(11月)など過去の実績、トラックの自己記録などから推測。箱根駅伝2023で注目すべき30人を「番付表」で紹介したい。
※対象は第99回箱根駅伝にエントリーされた336人。
※番付表は横綱(2人)、大関(4人)、関脇(2人)、小結(2人)、前頭(20人)で編成。
前頭筆頭は三浦と“とにかく強い”日体大のエース
最初に前頭の20人を紹介したい。その筆頭は藤本珠輝(日体大4)と三浦龍司(順大3)だ。両者は前回大会でケニア人留学生が5人出走した花の2区を並走。藤本は19位スタートから5人抜きの区間10位(1時間7分21秒)、三浦は区間11位(1時間7分44秒)でまとめている。藤本は5月の関東インカレでメクボ・ジョブ・モグス(山梨学大)が保持していたハーフマラソンの大会記録を塗り替えて圧勝するなど、とにかく強さを感じさせる選手だ。故障の影響で箱根予選会は欠場したが、今回も2区に登録された。
三浦は東京五輪の3000m障害で7位入賞。同種目で8分09秒92の日本記録を保持しているだけでなく、1500mは日本歴代3位の3分36秒59、5000m13分26秒78、10000m28分32秒28、ハーフマラソンはU20日本最高の1時間1分41秒というタイムを持つ。それだけの輝かしい実績を持つ三浦だが、箱根では出雲や全日本ほどのインパクトを残していない。前々回も1区で区間10位だった。今回は補欠登録されており、1区もしくは2区での出走が予想される。持ち味のスピードを爆発できるのか。
前頭2~3枚目に入った駒大と國學院大の主力
前頭2~3枚目は昨季の日本選手権10000mで日本人学生歴代3位の27分41秒68で3位に入った鈴木芽吹(駒大3)、学生ハーフ王者の平林清澄(國學院大2)、同2位の中西大翔(國學院大4)、ハーフマラソンで日本人学生最高の1時間0分40秒を持つ山野力(駒大4)だ。鈴木は全日本を欠場したが、出雲6区で区間賞を獲得しており、箱根は4区に登録された。平林は前回9区を区間2位で快走して4人抜き。今回は補欠登録だが、2区に入りそうな雰囲気が漂う。中西は出雲4区で区間賞を獲得。箱根は過去2回好走している4区に投入されそうだ。山野は前回区間4位の9区にエントリーされている。
前哨戦アンカーのランナーもランクイン
前頭4~5枚目は前回9区で区間記録を大幅に塗り替えた中村唯翔(青学大4)、同3区で区間3位と好走した伊豫田達弥(順大4)、全日本大学駅伝で2年連続のVゴールに飛び込んでいる花尾恭輔(駒大3)、アンカーを務めた出雲と全日本で2位争いを制した伊地知賢造(國學院大3)。中村は出雲と全日本はともに6区で区間3位、今回は補欠登録だが、再び9区に入りそうだ。伊豫田は関東インカレ10000mで日本人トップのスピードを武器に3年連続となる3区に登録された。全日本8区で区間賞を獲得した花尾は8区、前回2区を務めた伊地知は5区に入っている。