自分がここまでやれているのは間違いなく父のおかげ

「監督って打順とか起用法とか、正解はない中で決断しないといけないじゃないですか。その時に迷うな、自分が思ったことを思い切りやれ、と。それを聞かせていただいてちょっと楽になりました」

　狭間善徳、内田俊雄、高嶋仁、そして父の馬淵史郎……。アマチュア野球界の名だたる名将たちのDNAを受け継ぎながら、馬淵さんは監督という仕事に日々向き合い続ける。

「カテゴリーは違えど、自分がここまでやれているのは間違いなく父のおかげ。アドバイスや助言でチームが変わったりしたこともあります。僕らは負けても終わりじゃないけど、高校野球は負けたら終わりの一発勝負なので、それは絶対向こうの方が厳しいですよね。また今後もいろいろと話をしながら相談していきたいです」

「とにかく負け続けている」野球人生の行く先

「とにかく負け続けている」という野球人生。「報われる」瞬間があるとしたら、それは一体どういう時なのだろうか。

「何をもって報われるかですよね。1部に上がったら報われたってなるかもしれないですけど、選手たちが4年間本気で取り組んだということが本当に大事なことだと思っていますから。うまくいかない時にどう頑張れるか、どう踏ん張れるか。そんな話ばかりしています」

　自分のことは二の次で、教え子が人間として成長することに最大の喜びを感じる。そんな「報われる」瞬間を何度も味わうために、馬淵さんは母校でタクトを振り続ける。

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「親父に恥をかかせたくない」名将・馬淵史郎の息子、馬淵烈が明かす“甲子園に届かなかった”明徳義塾の18年間「中学の時はよう泣いていました」