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「ブラジルは永久にW杯優勝できない」クロアチアに負けて激辛批判「なぜネイマールに…」“メッシで4強”アルゼンチンはニヤニヤ
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2022/12/11 17:12
クロアチア相手に敗戦を喫し、呆然とするネイマール。ブラジル国内では超痛烈なバッシングが始まっている
前大会準優勝の強豪だが、GSから中3日の試合が続いており(これが5試合目)、しかも先発メンバーをほとんど代えていない。ラウンド16では、日本を延長、PK戦の末、辛うじて下した。
一方、ブラジルはGSで最初の2試合に勝って16強入りを決め、最終節は主力を休ませた。また、GS初戦で故障をして以後の2試合を欠場していたエースのネイマールがラウンド16で復帰し、前半だけで4点を奪って圧勝した。
現地テレビは「アルゼンチンvsオランダ」に多くの時間を
試合前のブラジルのテレビは、クロアチア戦そっちのけでアルゼンチン対オランダ戦の展望に多くの時間を割いていた。準々決勝でブラジルとアルゼンチンが勝てば、両国が準決勝で激突するからだ。
スタンドのブラジル人ファンも、作り物の優勝カップをかざして試合前からお祭り騒ぎ。誰もがブラジルの快勝を予想していた。
世界トップクラブでプレーするブラジル選手が周囲のムードに影響を受けて気を抜いていたとは思わない。しかし、このような身内の傲慢さや緩さが全く伝染しないとは言い切れない部分もある。
セレソンの先発メンバーは、韓国戦と全く同じ。クロアチアも、いつもの顔触れだ。
序盤は一進一退で、ほぼ互角。後半に入ると、セレソンがより多くの好機を作った。決定機もあったが、クロアチアの組織的な守備、そして日本とのPK戦でキックを3本も止めたGKドミニク・リバコビッチの好守に阻まれる。
試合は90分を終えてもスコアが動かず、延長戦に突入した。
ネイマールのゴラッソで勝ち切るかと思いきや
延長前半の終了直前、ブラジルが待望の先制点を奪う。ネイマールがまずロドリゴと、続いてルーカス・パケタとワンツーパスを成功させて敵陣前の密集地帯を抜け出し、ドリブルでGKもかわして右足で蹴り込んだ。
TVグローボの国民的アナウンサー、ガルボン・ブエノは「ゴール、ゴール、ゴール、ゴール、ゴーーーーーーーール」と絶叫。声が裏返った。解説の元ブラジル代表左サイドバックのジュニオールも、「見事な崩しからのスーパーゴールだった」と褒めた。
ネイマールにとって代表通算77点目で、キング・ペレが持つ最多得点記録に並んだ。
スタンドのブラジル人ファンは大騒ぎ。延長後半はセレソンが集中して守り、そのまま勝ち切るかと思われた。